外国人労働者拡大中!?その現状とは?

2019.11.15 (更新日:2019.11.15)
少子高齢化により、各企業とも労働力をどう確保するのか?は非常に重要な問題です。労働力不足の解決手段として、女性や高齢者はもちろん外国人の雇用も重要なポイントになっています。飲食店や小売業にて、店員さんが外国人の方であることを普通に感じる様になったのは筆者だけでは無いかと思います。今回は、ファイナンシャルプランナーの平原直樹(所属:ブロードマインド株式会社)が、外国人雇用に関して、内閣府「企業の外国人雇用に関する分析 -取組と課題について-」を基に解説いたします。
■外国人の労働者は増えているの?
実際の外国人の労働者は増えているのでしょうか?
答えはYESです。2008年には外国人労働者は48.6万人でしたが、2018年には146万人と3倍に増えています。
(出典:内閣府「企業の外国人雇用に関する分析 -取組と課題について-」
そしてこの傾向はますます続くと予想されます。と言うのは、出入国管理法の改正により、2019年4月から外国人の在留資格として「特定技能」という制度が創設されました。
これにより以下の14業種に関して、「相当程度の知識または経験を必要とする技能」をもった外国人を対象に「特定技能1号」という新たな在留資格ができたのです。
①介護、②ビルクリーニング、③素形材産業、④産業機械製造業、⑤電気・電子情報関連産業、⑥建設、⑦造船・舶用工業、⑧自動車整備、⑨航空、⑩宿泊、⑪農業、⑫漁業、⑬飲食料品製造業、⑭外食業
筆者は、外国人雇用の専門家ではないので、「相当程度の知識または経験を必要とする技能」と言うのがどのレベルなのかがイマイチはっきりとしないのですが、業務遂行に問題がないレベルということでしょうか?
なお、「特定技能1号」の在留期間は、1年・6か月又は4か月ごとの更新で最長5年間となっています。特定技能1号になったからと言って、永住権が取れるわけではありません。いずれにせよ、今後ますます外国人労働者が増えることは間違いありませんね。なお、⑥建設、⑦造船・舶用工業に関しては、「特定技能2号」という在留資格も創設されています。
■外国人労働者を採用する理由とは?
そもそも何故外国人労働者を採用するのでしょうか?当然、労働力不足がその大きな要因ですよね。
正社員が足りているか?」という設問に対して、「正社員が足りていない」と回答した企業の比率は以下のようになっています。
外国人を雇用している企業→48.9%
日本人のみの企業→31.7%
次に「非正社員が足りているか?」という設問に対して、「非正社員が足りていない」と回答した企業の比率は以下のようになっています。
外国人を雇用している企業→45.6%
日本人のみの企業→26.4%
正社員、非正社員とも外国人を雇用している企業の方が不足を訴えてることがわかります。やはり、外国人雇用は労働力不足の解決策になっていることがわかりますね。しかしながら、外国人を正社員として雇用しているのか?非正社員として雇用しているのか?で採用の理由(不足の理由)が異なっているようです。
同じ外国人雇用企業でも「正社員としてのみ雇用している企業」、「非正社員としてのみ雇用している企業」とで、雇用の理由を比較してみましょう。
正社員としてのみ雇用している企業
日本人だけでは人手が足りない → 18.8%
外国人の方が利点が多い → 39.0%
非正社員としてのみ雇用している企業
日本人だけでは人手が足りない → 59.3%
外国人の方が利点が多い → 16.1%
「非正社員」として外国人を雇用している企業は、日本人が採用できないために、日本人労働者の補完としての役割で外国人を採用していることが多いことがわかります。
一方、「正社員」として雇用されている企業では、外国人ならではの技能などが求められて(日本人よりもメリットを感じて)雇用されていることがわかりますね。
また、「移民に仕事を奪われた」と諸外国のデモのニュースを目にすることもありますが、現状では外国人雇用によって日本人の雇用が奪われるという状況ではないようです。外国人の雇用を積極的に活用している企業は、そうでない企業よりも以下の傾向があるそうです。
・全体的な社員数の増加
・女性の正社員に積極的
・中途採用の正社員数に積極的
・AIの活用に積極的
むしろ、外国人雇用の企業の方が日本人の雇用環境にとっても良い状況と言えるかもしれませんね。
ちなみに給与水準は外国人労働者と日本人とで違いはあるのでしょうか?
まずは正社員で比較してみましょう。
勤続1年目の外国人正社員の月給と一般向け(日本人向け)の正社員求人の月給を比較すると、ほぼ変わらないという状況です。
外国人正社員→21万円

一般向け(日本人向け)正社員求人月給→20万円
次に非正社員です。
非正社員ということで、こちらは時給での比較となります。
外国人非正社員→900円
一般向け非正社員求人時給→905円
こちらも大きな差はないようです。もっとも非正社員向けの求人は、外国人・日本人問わず出されることが多いようなので、
一般向けの部分にも外国人分も含まれていることが予想されます。
そのため、非正社員に関しては、外国人と日本人との単純比較ということにはならないかもしれません。
■外国人の雇用に関する課題とは?
外国人の雇用に関しての課題としては、以下がトップ5となっています。
1位:日本語能力に問題がある(29.5%)
2位:他の日本人社員とのコミュニケーションに不安(19.5%)
3位:社内の受け入れ態勢の問題(13.8%)
4位:(イメージも含めて)定着率の低さ(12.4%)
5位:在留資格等の申請手続きなどの事務コスト(6.5%)
我々日本人は、日本語という(世界的にみると)特殊な言語を使っていることもあり、語学的な部分が課題になることが多いようです。この点は多くの方も同じイメージではないでしょうか?
個人的に気になったのは、「(イメージも含めて)定着率の低さ」という点です。「一生日本で働く」という思いは日本人よりも低いのは当然ですが、日本人でも「一生同じ企業で働く」と決めている方は、若い方を中心にかなり減ってきているのではないでしょうか?
外国人労働者の定着率に関係する企業側の取り組みとしては、「年功にとらわれない昇給・昇進の仕組み」があげられるそうです。これは日本人の若い方でも同じ思いの方が少なくないと思いますので、企業側としても是非取り組むべき施策と言えそうですね。
なお、企業の取り組み以外で定着率に関わるのが、周囲とのコミュニケーションとのことです。国籍関係なく周囲との関係は、定着率に大きく関係しますよね。
今後ますます増えるであろう外国人雇用。外国人の方と同じ職場になった際は、うまくコミュニケーション取れるように意識してみてはいかがでしょうか?
ブロードマインド株式会社
執筆者:平原 直樹
財産形成や退職金運用といったお金の殖やし方を多くの方に伝えるべく、日本全国で年間100件を超えるセミナーを開催。最近では、高齢者の財産管理手法として、家族信託を広めるべく活動中。

■保有資格
・IFA(証券外務員一種)
・TLC(生命保険協会認定FP)
・2級FP技能士
・家族信託コーディネーター
・旅行業務取扱主任者

■得意分野
資産運用、ライフプラン、保険全般、住宅ローン、相続、家族信託

■実績
マネーセミナー:年間100回以上開催