勤務先で加入していた確定拠出年金。退職したらどうなるの?

2018.08.17
近年、退職金制度として、確定拠出年金を導入する企業が増えつつあります。もうすでに、確定拠出年金に加入されている方も多くいらっしゃるでしょう。さて、確定拠出年金は原則として定年まで引き出すことができませんが、何らかの事情により会社を退職することになった場合はどうなってしまうのでしょうか・・・?今回は、ファイナンシャルプランナーの平原 直樹(所属:ブロードマインド株式会社)が退職時の確定拠出年金の取り扱いについて解説いたします。
■会社を退職したら・・・加入中の確定拠出年金はどうなるの?
退職するとなると、現在加入している確定拠出年金からは脱退することになります。とはいえ、これまで積み立ててきた資産がなくなってしまうわけではなく、転職先などに引き継ぐことになります。これを移管といいます。
ただし、現在ご加入中の確定拠出年金の資産を「そのまま」持っていくことはできません。というのも、移管先に同じ運用商品(投資信託や保険商品)があるとは限らないからです。そのため、運用商品は一度時価で現金化されることになります。つまり、退職時に確定拠出年金を現金化して、次に移管するということですね。
なお、現金化されたタイミングで評価損益がプラスになっていたとしても、手元に受け取るわけではないので税金はかかりません。確定拠出年金は、保有期間中は非課税となりますのでご安心ください。
■脱退後の流れをケース別でご紹介!
前述の通り、現在加入している確定拠出年金を脱退後、基本的には別の制度に移管して続けていくことになりますが、退職後の状況によって利用する制度が異なりますので以下で詳しくみていきましょう。
ケース1:確定拠出年金を導入している企業に転職した場合
一番わかりやすいのは、確定拠出年金を導入している企業に転職したケースです。この場合、今まで積み立ててきた分の原資を転職先の確定拠出年金制度に移管させることになります。移管後、その原資は金利が低い定期預金の商品に設定されていることが多いため、転職先の運用商品を確認し、新たな運用商品へスイッチングするのをお忘れなく!
ケース2:確定拠出年金を導入していない企業に転職した場合
転職先が確定拠出年金を導入していない場合、当然ですが企業型確定拠出年金に移すことができません。自営業や主婦を選択された方、あるいは退職後働く予定のない方なども同様です。この場合、個人型確定拠出年金(通称iDeCo)に移管することになります。
個人型確定拠出年金に移管する場合、①掛け金を払って積み立てをしていくのか?②掛け金は拠出せず移管した資産のみで運用するのか?の2通りから選択することになります。
なお、当然ですが、上記の手続きは自動でやってくれるわけではありません。ご自身で手続きする必要がありますので、ご注意ください。
退職後半年以内に手続きをしなかった場合、国民年金基金連合会の仮預かり口座へ移管されることになります。こちらに移管された場合、特に運用などはされませんが、毎月51円の手数料が発生します。つまり、手数料分だけ確実に資産が減っていくということです。非常にもったいない状態ですので、必ず移管手続きをするようにしましょう。
ケース3:資産の残高が少額の場合
加入期間が短い方など、そもそもの資産の残高が少額の場合は、退職時に脱退一時金として受け取れることもあります。以下サイトで、退職後の状況(働き方)に応じた手続き方法を確認することができます。退職を検討されている方は、ご自身の場合はどんな手続きが必要になるのか、一度チェックしてみてはいかがでしょうか?
■個人型確定拠出年金に加入することになった場合、拠出し続けるべき?
さて、個人型確定拠出年金(iDeCo)に加入することになった場合、やはり拠出は続けたほうが良いのでしょうか?
答えは、YESです。老後の退職金作りとして、確定拠出年金ほど優れている制度はありません。そのため、個人型に移管したとしても、なるべく拠出を続けたほうが良いでしょう。拠出できる上限月額はご自身の状況次第で異なりますので、気になる方は確認してみてくださいね。
いかがでしたでしょうか?老後に向けた資産形成手段として有効な「確定拠出年金」。企業型であっても個人型であっても、非常に優れた制度といえますので上手く活用してみてくださいね!
ブロードマインド株式会社
執筆者:平原 直樹
財産形成や退職金運用といったお金の殖やし方を多くの方に伝えるべく、日本全国で年間100件を超えるセミナーを開催。最近では、高齢者の財産管理手法として、家族信託を広めるべく活動中。

■保有資格
・IFA(証券外務員一種)
・TLC(生命保険協会認定FP)
・2級FP技能士
・家族信託コーディネーター
・旅行業務取扱主任者

■得意分野
資産運用、ライフプラン、保険全般、住宅ローン、相続、家族信託

■実績
マネーセミナー:年間100回以上開催
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