内職の場合、収入はいくらまでなら扶養から外れない?

2018.03.20
子育てなどによって短時間だけ働きたい方にとって、通勤時間はネックになりますよね。そんな方は、自宅近くでパートをするのも良いですが、自宅でできる内職というのも一つの選択肢といえるのではないでしょうか?今回は「内職した場合、収入はいくらまでなら扶養から外れないのか?」について、ファイナンシャルプランナーの平原直樹(所属:ブロードマインド株式会社)が解説いたします。
■内職による収入。いくらまでなら扶養から外れない?
いわゆるパート勤務の場合、収入は基本的に給料という扱いになりますが、内職による収入はそれとは異なります。専門用語でいうと、パート勤務は“給与所得”、内職の場合は“雑所得”の扱いとなります。このように両者で所得の種類が異なるわけですが、内職の場合もパート勤務と同ように、2018年以降は150万円まで稼ぐことができるようになりました。
なぜ、パート勤務と同じ金額まで働けるのか?というと、税制の特例があるためです。基本的に、所得を計算する際には収入から経費を引いて計算をします。パート勤務(給与所得者)の場合は通常経費がありませんので、その分を基礎控除という形で、収入から65万円を費用として引くことが可能です。結果、パート収入が150万円/年まで(2018年以前は103万円/年まで)であれば、(高額所得者を除き)税制上配偶者控除を使うことが可能となっています。
一方、内職の場合は、材料などの経費が発生する可能性はありますが、扶養の範囲レベルで働いているのであれば65万円分も経費があるとは思えませんよね。これでは、主婦の方が扶養の範囲で内職をするのは大変だということで、内職でかかった経費の額が65万円未満であったとしても、65万円を必要経費とすることが可能とされています。これを「家内労働者等の必要経費の特例」と言います。この特例があるおかげで、内職で扶養を意識している方も、パートで働いている方と同じレベルまで稼ぐことができるというわけです。
ただし、内職の種類によってはこの特例の対象外になる可能性もあるので、事前に税務署に確認するようにしてくださいね。
■内職による収入(雑所得)は確定申告が必要?
それでは、内職を始めた場合、確定申告は必要なのでしょうか?
前述の通り、内職は雑所得扱いになりますので、確定申告が必要か否かは所得の額により異なります。具体的には、「収入-経費」が20万円を超えたら確定申告をする必要があります。また、前述の「家内労働者等の必要経費の特例」を利用する場合も、確定申告をする必要があります。
余談ですが、内職が順調にいった場合、開業届をして事業としてやっていくこともできます。この場合は、雑所得ではなく事業所得という扱いになります。事業としてやっていくということなので、税務に関してもよりしっかりやっていく必要があります。つまり、たとえ収入額としては確定申告が不要であっても、確定申告しておいたほうが良いといえます。
ただし、事業としてやっていく場合は、税金面だけでなく社会保険の扱いにも注意が必要になります。というのも、事業を営んでいる(事業所得がある)と、社会保険上の扶養に入れないこともあるからです。社会保険から外れることになってしまうと、ご自身で国民健康保険に加入することになります。
また、年金も国民年金を払うことになりますが、ご主人の扶養に入っていた頃と将来受け取れる年金額は変わりません。つまり、支払いだけ増えて、受け取れる金額は変わらないということですので、そう考えるとあまり意味がないですよね。こうしたことがないように、事前にご主人のお勤め先の健康保険組合に確認しておきましょう。
いかがでしたでしょうか?いずれにせよ、世帯収入を上げるために専業主婦の方が働きに出るのは非常に効果的な方法といえます。家計が厳しいけれど外に出るのは難しい……そんな方は、自宅でできる内職を探してみてはいかがでしょうか?
ブロードマインド株式会社
執筆者:平原 直樹
財産形成や退職金運用といったお金の殖やし方を多くの方に伝えるべく、日本全国で年間100件を超えるセミナーを開催。最近では、高齢者の財産管理手法として、家族信託を広めるべく活動中。

■保有資格
・IFA(証券外務員一種)
・TLC(生命保険協会認定FP)
・2級FP技能士
・家族信託コーディネーター
・旅行業務取扱主任者

■得意分野
資産運用、ライフプラン、保険全般、住宅ローン、相続、家族信託

■実績
マネーセミナー:年間100回以上開催
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