iDeCoとつみたてNISAどちらがオススメ?

2019.09.27 (更新日:2019.09.27)
ニュースで話題となっている「老後2,000万円必要」という金融庁の報告書の発表を機に、つみたてNISAやiDeCoに関心が集まり、これから資産運用を始めよう!という方が増えているようです。Sodanでも、つみたてNISAとiDeCoの違いがよくわからない、どちらがいいの!?というご相談も非常に増えています。今回はつみたてNISAとiDeCoの違いを、ファイナンシャルプランナーの坂本卓也(所属:ブロードマインド株式会社)が解説いたします。
■つみたてNISAとiDeCoの特徴
まず大前提として、つみたてNISA、iDeCoともに具体的な金融商品の名称ではなく、資産運用に関する制度となります。どちらも専用口座を作り、その口座内で運用された金融商品に対して税制メリットを受けることができるという点が共通です。
①つみたてNISAとは?
つみたてNISAとは、2014年1月にスタートした「NISA(少額投資非課税制度)」の一種であり、2018年1月にスタートしました。NISAでは年間120万円までの投資元本に対して、5年間の運用益が非課税であるのに対し、つみたてNISAでは年間40万円までの投資元本に対して、20年間の運用益が非課税となります。非課税期間が20年と長いことから、通常のNISAに比べて、資産形成層である若年層に向けた税制優遇の制度と言えます。
つみたてNISAの口座で運用できる金融商品には制限があり、金融庁の指定する164本(2019年7月22日)の投資信託の中からしか選択することができません。この対象商品については、販売手数料がかからないもの、信託報酬が一定水準以下であるといった、金融庁の選定条件をクリアしたもののみが選別されているため、投資初心者にとっては選びやすい選択肢と言えます。
②iDeCoとは?
次にiDeCoについてですが、正式名称を「個人型確定拠出年金」といい、制度開始当初は自営業者や退職金制度のない会社員へ向けた資産運用制度でした。2017年1月に制度が改正され、退職金制度のある会社員や公務員などにも利用が拡大されました。
つみたてNISA同様、運用益が非課税になり、さらに掛け金全額が所得控除となることがメリットとなります。所得税・住民税を軽減しながら資産運用を行うことができる資産運用制度となります。iDeCo口座を開設した金融機関で選定されている運用商品(3本~35本)の中から、自分で商品を選択し、運用していきます。金融機関によって商品の構成内容や手数料が異なるので、口座開設から慎重に金融機関を選択する必要があります。
■つみたてNISAとiDeCoの違いを学ぼう!
つみたてNISAとiDeCoの違いは、下図のようになります。
①税制メリット
金融商品を運用すると、通常は利益に対して税金がかかりますが、つみたてNISA・iDeCoともに「運用利益が非課税になる」というメリットがあります。また、iDeCoではさらに「掛け金全額が所得控除になる」というメリットもあります。
所得控除があるかどうかが、つみたてNISAとiDeCoの最大の違いであり、老後に向けた資産形成という目的であれば、iDeCoを優先的に利用すべき理由となります。
②対象商品
どちらも証券会社や銀行などの金融機関で専用の口座を作り、その口座の中で運用をしていくことになりますが、つみたてNISAは金融庁の指定した運用商品の中から選択するのに対し、iDeCoでは口座開設をした金融機関の選定した商品(3本~35本)に限られます。
口座開設をした金融機関で運用したい商品がなかったという場合は、金融機関を変更する必要があり、手数料もかかるので、口座開設の段階からどんな運用商品があるかチェックしておきましょう。
③元本保証商品
iDeCoでは、運用管理機関の設定条件として「リスク・リターンの異なる3本以上35本以下」の商品で選定するという条件がありますが、2018年5月の制度改正前は「3本以上、うち1本は元本確保型」という条件でした。制度改正後も、ほとんどの金融機関で預金や保険商品などの「元本確保型」の商品が残っています。
一方で、つみたてNISAには元本確保型の商品は選定されていません。どうしても運用リスクは取りたくないけれど、所得控除をとりながら老後資金の積み立てをしたいという場合にはiDeCoで元本確保型の商品で運用するという選択肢もあります。
④年間上限額
年間上限額は、つみたてNISAは一律40万円/年に対して、iDeCoは就業形態により異なります。例えば、自営業の方では最大81.6万円/年までですが、公務員・私学共済加入者の方は14.4万円/年までとなります。つみたてNISAとiDeCoの併用は可能なため、月々の収支に余裕のある方はつみたてNISAとiDeCoを併用して資産形成をしてくとよいでしょう。
⑤非課税期間
つみたてNISAは、非課税期間が一律20年であり、運用を開始してから20年の間に解約をすれば運用益を非課税で受け取ることができます。一方、iDeCoは60歳になるまで掛け金を拠出・運用し、60歳以降にその運用益を非課税で受け取ることができます。なお、iDeCoは一時金か年金で受取方法を選択することができ、一時金受取の場合は「退職所得控除」、年金受取の場合は「公的年金控除」を受けることができます。
⑥途中引出の可否
つみたてNISAでは途中引出が可能ですが、iDeCoでは途中引出はできません。この点が2つの制度の大きな違いとなります。iDeCoでは途中で掛け金の変更は可能ですが、運用資金についてはすべて途中引出ができないため、特に自営業の方などは、掛け金全額所得控除になるからといって手元資金が残らなくなるほど掛け金を上げすぎるのはおすすめいたしません。
生活資金に無理のない範囲で老後資金の資産形成としてiDeCoの積み立てを行い、さらに余裕がある場合や、老後資金でなく教育資金などの目的としてつみたてNISAを利用すると、運用期間・使用目的に合った資産形成の選択肢となります。
いかがでしたでしょうか。つみたてNISA、iDeCoともに非常に有効的に利用できる制度ですが、それぞれメリット・デメリットがあり、運用期間や使用用途に合わせて使い分ける必要があります。自分の場合はどちらが向いているか、現在の家計状況からどの程度であれば無理なく積み立てができるかわからないという方は、ぜひSodanの対面相談をご利用ください。
ブロードマインド株式会社
執筆者:坂本 卓也
新婚世帯や子育て世帯へ向けたマネーセミナー講師として活動。社会保障や金融商品、ニュースでよく聞く言葉など、皆さまの疑問を解決し、生活に役立てていただけるような情報を発信します。

■保有資格
・TLC(生命保険協会認定FP)
・2級FP技能士

■得意分野
資産運用、ライフプラン、保険全般、住宅ローン

■実績
マネーセミナー:年間50回以上開催