退職金の平均金額はどのくらい?

2019.06.28 (更新日:2019.06.28)
金融庁の〝老後は年金収入以外に2,000万円の資金が必要″という報告書によって、国に対する怒りや、より老後の生活に不安を感じた方も多くいらっしゃるかと思います。ファイナンシャルプランナーとしてお客様のお話を伺っていると、「老後が心配」というご相談をよくいただきます。老後の経済的な支えとなる1つが退職金。今回は、ファイナンシャルプランナーの平原直樹(所属:ブロードマインド株式会社)が、退職金の平均金額について解説いたします。
■退職金制度の普及率をみてみよう
退職金制度は、企業ごとに制度設計が異なります。また、現在の制度がそのまま存続するのか?というと、当然将来の制度がどうなるかはわからないですよね。
しかしながら、ある程度ご自身の勤務先の退職金制度を把握しておくことは重要です。もちろん、「そもそも勤務先に退職金制度自体がない…」という方も少なくありません。実際退職金制度は、どの程度普及しているのでしょうか?
・「退職金制度がある」と回答したのは80.5%
・「退職金制度が無い」と回答したのは19.5%
全体の80%を超える割合で、退職金が存在するということがわかります。退職金には一時金でもらうケース・年金でもらうケース・両方を併用するケースがありますが、どのケースが多いのでしょうか?
退職金制度がある企業の中で、一時金のみという企業が73.3%、年金のみが8.6%、一時金と年金の両制度併用という企業が18.1%となっています。退職金制度としては、退職時に一括(一時金)で受け取るというのが、一般的といっても良いかもしれません。
■退職金制度と従業員数の関係について
前述の通り、全体の80%を超える企業に退職金制度があるということですが、退職金の普及率と従業員数には相関関係があるようです。従業員数が1,000人以上の場合、退職金制度がある割合は92.3%、300人以上999人未満の場合、退職金制度がある割合は91.8%と全体平均の80.5%を大きく上回ります。
一方、従業員数が100人以下の企業の場合、退職金制度がある割合は77.6%と全体平均の80.5%を割り込みます。従業員数が多い企業ほど退職金制度が普及していることがわかりますね。
■平均的な退職金額とは?
さて、気になるのは実際の退職金の給付金額ですよね。退職金の金額は「自己都合」、「定年」、「退職勧奨」など退職事由や勤務年数によって、変わってきます。今回は、老後の生活費となる「定年退職」した場合の平均的な退職金額をみていきましょう。
①大学卒、大学院卒の場合
【勤続35年以上】
全体平均で2,173万円(退職一時金制度のみ1,897万円、退職年金制度のみ1,947万円、両制度併用2,493万円)となっております。
【勤続20年~24年】
全体平均で1,267万円(退職一時金のみ1,058万円、退職年金制度のみ898万円、両制度併用1,743万円)となります。勤続年数が短くなると、その分退職金額も減ることになります。
②高校卒(管理、事務、技術職)の場合
【勤続35年以上】
全体平均で1,954万円(退職一時金制度のみ1,497万円、退職年金制度のみ1,901万円、両制度併用2,474万円)となっております。
【勤続20年~24年】
全体平均で525万円(退職一時金のみ462万円、退職年金制度のみ487万円、両制度併用1,239万円)となります。高校卒の場合も勤続年数が短くなると、その分退職金額も減ることになります。
(参照:厚生労働省「平成30年度就労条件総合調査 結果の概況」
■今後の退職金について
前述のように、大学卒や高校卒など、入社時の学歴でも退職金に差があることがわかりますね。さて、上記の金額感はどのように感じましたでしょうか?「意外に金額が多くて安心した!」という方もいるかもしれませんね。しかしながら、この金額はあくまでも「現在の退職金」ということを忘れてはいけません。というのは、実は35年以上勤務した大学卒・大学院卒の退職金は、平成25年と比較すると150万円程減少しています。
※平成25年の退職金額は、前述の金額と算出方法が異なるため、平成30年版の退職金額の算出方法を平成25年と揃えて計算した際の額となります
私も公務員の方の退職金相談を受けていますが、5年前に退職した時と比較すると、退職金額が数百万円下がっていることがあります。今後も退職金額に関しては、増加ではなく減少と考えていた方が良いのではないでしょうか。減額してしまった分は、当然自分で準備しておく必要がありますよね。政府もつみたてNISAやiDeCoなどの税制優遇制度を用意してくれています。こうした制度もうまく活用して、自分の老後資金づくりをすることをおすすめいたします。
いかがでしたでしょうか?まずはご自身の退職金制度や現状の給付金額を確認しておきましょう。そのうえで、足りない部分を将来に備えて自分自身でも準備をしておきたいとお考えの方は、ぜひSodanの対面相談をご活用ください。
ブロードマインド株式会社
執筆者:平原 直樹
財産形成や退職金運用といったお金の殖やし方を多くの方に伝えるべく、日本全国で年間100件を超えるセミナーを開催。最近では、高齢者の財産管理手法として、家族信託を広めるべく活動中。

■保有資格
・IFA(証券外務員一種)
・TLC(生命保険協会認定FP)
・2級FP技能士
・家族信託コーディネーター
・旅行業務取扱主任者

■得意分野
資産運用、ライフプラン、保険全般、住宅ローン、相続、家族信託

■実績
マネーセミナー:年間100回以上開催
  • この記事が参考になったら
    いいね! してね