財形貯蓄と従業員持株会のメリットデメリットを学ぼう!

2019.06.10 (更新日:2019.06.10)
会社の福利厚生は、資格取得支援などの自己投資に向けた制度はもちろんですが、従業員の経済面へのフォローも重要です。どんな制度があるのか?は勤務先ごとに異なりますが、財形貯蓄、従業員持株会、確定拠出年金(401K)、団体保険などが一般的な制度と言えるでしょう。今回はファイナンシャルプランナーの平原直樹(所属:ブロードマインド株式会社)が、財形貯蓄と従業員持株会のメリットデメリットについて解説いたします。
■財形貯蓄のメリット
経済面の福利厚生の代表格と言えるのが財形貯蓄です。多くの方が利用しているのが「一般財形」となり、給与天引きで会社が用意している別口座に貯蓄をしてくれる制度です。また、財形貯蓄には年金財形と住宅財形というテーマ別の財形もあります。まず、財形貯蓄のメリットとしては、給与天引きで自動的に貯蓄ができるため「お金が手元にあると全部使ってしまう…」というようなご自身で貯蓄をするのが難しい方にとって有益といえるでしょう。また、年金財形・住宅財形では、用途は限定されますが、金利に対して税金がかからないという非課税のメリットがあります。勤務先によっては、従業員の財形積み立てに対して、勤務先が一定の補助を出してくれることもあります。この場合は、補助の金額まで考慮すると、とても有利な制度と言えます。
■財形貯蓄のデメリット
財形貯蓄の金利は通常の都市銀行の預金と変わりません。ご自身で貯蓄できる方からしてみると、特にメリットがないとも言えますね。また、年金財形と住宅財形の非課税のメリットを述べましたが、かつてのように財形の金利で5%近くついた時代には、非課税メリット(20%)だけで1%にも上りました。
しかし、今のように0.001%しか金利がつかないのであれば、非課税メリットは0.0002%しかありません。つまり、現在の超低金利では非課税でもメリットは薄いということですね。
■従業員(社員)持株会のメリット
上場企業では、従業員(社員)持株会に加入できることが一般的です。従業員持株会とは、従業員が自社の株式を購入するための制度です。通常、株式を購入する際には、1単元という単位で購入することになり、結果的に何十万円とまとまったお金でしか購入することができません。
一方、従業員(社員)持株会の場合は、毎月定額の積立てで自社の株式を購入することが可能です。1,000円以上など会社ごとに購入単位は異なりますが、積立てで買えるため手軽に始めることができます。また、企業にとっては従業員が自社株を保有することにメリットがあります。「株価の向上」という点が、従業員自身の資産形成になるということで、より熱意をもって業務に取り組むインセンティブにもなるためです。そのため、多くの企業では従業員の持ち株に対して、報奨金として援助をしています。
つまり、一般で買うより割安に自社の株式を購入できるということですね。通常よりも割安に株式を購入できるということで、とてもお得な制度といえるでしょう。
■従業員(社員)持株会のデメリット
一般よりも割安に株式が買えるとしても、株価は当然変動があります。そのため、持株会も投資として考えるべきです。そのため、自社が今後伸びていく可能性(株価が上がる可能性)を冷静に判断する必要があります。また、財形と異なり流動性にも注意が必要です。株価を売却する際に独自のルールを課していることもあります。さらに、当然ですが株価が下がっている時に換金すると、元本割れになってしまいます。そのため、持株会はいつでも下ろせる資産ではないことは理解しておきましょう。また、持株会特有の留意点として、勤務先の業績に個人の経済状況が大きく依存する点があります。勤務先の業績が良い場合、一般的に株価も上がっていることが予想されます。株価が上がるということは、持株会をやっている場合、ご自身の資産額が上がることなりますよね。
一方、会社の業績が悪い場合は、株価が低迷する=資産額が下がることになります。業績が悪いと給料や賞与もあまり期待できず、収入がダウンするという可能性もあります。その結果、収入・資産ともにダウンし、二重の痛手を受ける恐れがあります。このように、自社の株式で資産を作るということは、自社の業績に自身の経済面が大きく左右されることになってしまうわけです。勤務先に経済面で頼りすぎるのも怖いですよね。
なお、未上場の会社でも持株会がある会社もあります。未上場の場合は、市場で当該株式の売買はできません。退職時にはどうなるのか?(売買価格がいくらになるのか?)など確認しておくのが良いでしょう。
いかがでしたでしょうか?それぞれの制度のメリットデメリットを確認して、どの制度を利用するのがご自身にとってお得になるのか、しっかり検討する必要がありますね。
ブロードマインド株式会社
執筆者:平原 直樹
財産形成や退職金運用といったお金の殖やし方を多くの方に伝えるべく、日本全国で年間100件を超えるセミナーを開催。最近では、高齢者の財産管理手法として、家族信託を広めるべく活動中。

■保有資格
・IFA(証券外務員一種)
・TLC(生命保険協会認定FP)
・2級FP技能士
・家族信託コーディネーター
・旅行業務取扱主任者

■得意分野
資産運用、ライフプラン、保険全般、住宅ローン、相続、家族信託

■実績
マネーセミナー:年間100回以上開催
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