投資信託のリスクとリターンは「騰落率」と「シャープレシオ」で確認!

2019.04.08 (更新日:2019.04.09)
投資信託のパフォーマンスは「基準価額」と「純資産総額」でチェック!」では、投資信託の価値と規模を測るための2つの指標について解説いたしました。そして今回は、ファイナンシャルプランナーの平原直樹(所属:ブロードマインド株式会社)が、リスクとリターンのバランスを測るための指標として、「騰落率」と「シャープレシオ」について解説いたします。
■投資における「リスク」と「リターン」とは?
投資信託のパフォーマンスを図る際に、まず認識しておくべきことといえば「リスク」と「リターン」です。では、投資における「リスク」と「リターン」は何を意味するのでしょうか?
まず、「リターン」に関してですが、投資の世界では運用結果のことを意味します。どの投資信託も収益を上げるために運用をするので、「リターン=収益」と言いたいところですが、必ずしも収益とは限りません。運用というのは、基本的に元本が保証されているわけではありませんよね。よって、運用次第では損失となってしまうこともあるというわけです。
次に、「リスク」についてです。一般的にリスクというと、損失をイメージされる方がほとんどかと思います。しかし、投資の世界では意味合いが少し異なります。投資の世界におけるリスクとは、リターンの変動幅(ブレ)のことを意味します。そのため、リスクが小さい商品というのは、最終的なリターンまでのブレが小さいということです。つまり、ローリスク・ローリターンということになります。一方、リスクが大きい商品というのは、最終的なリターンまでのブレが大きいということですので、ハイリスク・ハイリターンということになります。
可能ならばローリスク・ハイリターンを求めたいところですが、残念ながらそういった商品は基本的には存在しません。リスクとリターンは、必ず相関関係があると考えておきましょう。
■騰落率とは?
投資信託のパフォーマンスを図る際には、基本的に基準価額の動きをチェックすることになります。この際に利用されるのが「騰落(とうらく)率」です。騰落率が何を表しているかというと、一定期間における基準価額の変動率です。たとえば、基準価額が10,000円だった投資信託が11,000円となった場合、騰落率は10%となります。反対に、基準価額が10,000円だった投資信託が9,500円となった場合、騰落率は-5%となります。
一見すると利回りと似ていますが、騰落率を算出する際には、信託報酬などのコストを加味せずに基準価額の推移だけで算出するのが一般的です。また、分配型の投資信託の騰落率を算出する場合は、基準価額だけではなく受け取った分配金の額も合算して算出しますが、その際も税金は除外のうえ算出するのが一般的です。そのため、騰落率の値がそのまま自分の利回りとなるわけではありません。
さて、そんな騰落率ですが、値が大きいほど利益を出している投資信託を意味します。そのため、騰落率が大きい投資信託ほど人気が出る傾向にあります。似たようなテーマの投資信託を比較する際には、騰落率を参考にすると良いでしょう。
なお、騰落率をチェックする場合には、3ヵ月、半年、1年、3年など複数期間の騰落率を確認することをおすすめします。というのも、短期的には騰落率がマイナスでも長期的にはプラスのケースもあれば、逆のケースもあるためです。
■シャープレシオとは?
ここからは、騰落率とは別の指標について解説いたします。まずは、騰落率が同じ投資信託AとBについて考えてみましょう。Aは価格変動の幅(リスク)が大きく、Bは価格変動の幅(リスク)が小さかった場合、あなたはどちらの投資信託を買いたいですか?
上記の場合、Bのほうが小さいリスクでAと同じリターンを得られることになります。「リスク」=「リターンを得るためのコスト(労力)」と考えると、Bのほうがより効率的な投資信託といえますね。
さて、投資において必要となるリスクと得られるリターンとの関係性を図る際に利用するのが「シャープレシオ」です。シャープレシオは「リターン」÷「リスク(標準偏差)」で算出することができます。ここで、標準偏差について補足しておきましょう。標準偏差とはばらつきの度合いを示す数値のことをいい、値が大きいほどばらつきが大きく、値が小さいほどばらつきが小さいことを意味します。つまり、分母であるリスクの値に標準偏差を用いるということは、その値は小さいほうが投資効率が良いということになりますので、シャープレシオの値は大きいほうが良いといえます。
いかがでしたでしょうか?確定拠出年金(DC・iDeCo等)やつみたてNISAなど、投資信託がますます身近になりつつあります。投資信託選びの際には、騰落率やシャープレシオといった、投資信託のパフォーマンスを測るための指標を参考にしてみてください。数ある投資信託の中から自分で選択するのが難しいという方は、ぜひ投資に詳しいファイナンシャルプランナー(FP)に相談してみてくださいね。
ブロードマインド株式会社
執筆者:平原 直樹
財産形成や退職金運用といったお金の殖やし方を多くの方に伝えるべく、日本全国で年間100件を超えるセミナーを開催。最近では、高齢者の財産管理手法として、家族信託を広めるべく活動中。

■保有資格
・IFA(証券外務員一種)
・TLC(生命保険協会認定FP)
・2級FP技能士
・家族信託コーディネーター
・旅行業務取扱主任者

■得意分野
資産運用、ライフプラン、保険全般、住宅ローン、相続、家族信託

■実績
マネーセミナー:年間100回以上開催
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