外貨預金を始めるなら、金利が高い国の通貨を選んだほうが良いの?

2019.03.04 (更新日:2019.03.06)
低金利が続く日本において、金利の高い海外の銀行に魅力を感じ「外貨預金を始めてみたい!」と思っている方もいらっしゃるでしょう。とはいえ、一口に外貨といっても、さまざまな国の通貨があるうえに金利もそれぞれ異なるので、どこの国の通貨を選べば良いのか?を判断するのは難しいですよね。今回は、ファイナンシャルプランナーの平原直樹(所属:ブロードマインド株式会社)が外貨預金における通貨選びをテーマに解説いたします。
■外貨預金のメリットとは?
まずは、外貨預金のメリットから確認していきましょう。外貨預金のメリットは大きく以下2点です。
1.円より金利が高い
2.為替を利用した差益の確保
もちろんメリットの2つめに関しては、為替差益を取れる可能性がある反面、為替差損が生じる可能性もあります。日々為替は動くことを考えると、メリットにもデメリットにもなり得るといえます。
一方、メリットの1つめに関してはどうでしょうか?こちらは、日本円と比較して、当該通貨の金利が高いのであれば確実なメリットといえそうですね。ちなみに、某ネット銀行の2月初旬時点での金利(1ヵ月・定期)は以下の通りです。
通貨金利(%)
アメリカ(米)ドル1.6%
ユーロ0.001%
イギリス(英)ポンド0.25%
カナダドル0.5%
オーストラリア(豪)ドル1.2%
ニュージーランド(NZ)ドル1.0%
ブラジルレアル1.75%
南アフリカランド4.85%
現在、日本のメガバンクの金利は0.001%ですので、ユーロ以外は日本円と比較して金利が高いことが伺えます。なかでも、南アフリカランドは4.85%と非常に高く、魅力的であるように感じますね。一方、かつては高金利通貨といわれたオーストラリア(豪)ドルですが、現在ではアメリカ(米)ドルのほうが金利は高くなっています。
■少しでも金利が高い国の通貨を選ぶべき?
では、外貨預金を始めるにあたって、少しでも金利が高い国の通貨を選んだほうが良いのでしょうか?
答えは、NOです。必ずしもそうとは限りません。というのも、金利面だけに注目をすると思わぬ落とし穴があるからです。では、以下で詳しくみていきましょう。
一般的に、外貨預金をする場合には以下の手順を踏みます。
【日本円→外貨→日本円】
つまり外貨預金をする場合は、まず手持ちの日本円を当該通貨に換えて預金をし、将来的に預金した当該通貨を日本円に戻すということですね。円→外貨、外貨→円と両替をすることになるため、その度に為替手数料が必要となります。この手数料は、金融機関によっても異なりますし、同一金融機関であっても通貨によって異なります。
ここで、某ネット銀行の両替時にかかる手数料を確認してみましょう。
ここで注意したいのが、手数料の割合です。というのも、一見すると同じような手数料でも、そもそもの基準レートによって手数料としての多寡が異なるからです。たとえば、基準レートが100円の通貨Aと200円の通貨Bがあったとします。為替手数料÷基準レートで各通貨の1円当たりに占める手数料の割合を算出することができますが、どちらも両替時の手数料が2円だったとすると、通貨Bのほうが手数料は安いですよね。では、前述の表をもとに、手数料の割合を確認してみましょう。上表の通り、基準レート【A】の他に、【B】【C】の2つのレートがあります。【B】は、円→外貨(外貨を買うとき)に利用するレート(TTS)です。基準レートよりも高いことがわかります。この差額が手数料=コストになります。一方、【C】は外貨→円(外貨を売るとき)に利用するレート(TTB)です。こちらは基準レートよりも低くなっていますが、先ほどと同様に、この差額が手数料になります。いずれにせよ、通貨ごとに手数料に差があることがわかりますね。
続けて、金利が高い南アフリカランドの場合も考えてみたいと思います。先ほどと同様に、1ヵ月南アフリカランドに預けると4.85%÷1/12=約0.4%の金利が期待できます。一方、両替による手数料は2.44%×2=4.88%となります。よって、為替の動きを考えない場合、1年以上保有していないと手数料が上回ってしまうということになります。つまり、外貨預金における金利の高さは魅力的である反面、コスト面も踏まえて通貨選びをしないと損をしてしまう恐れもあるというわけです。たとえば、米ドルの場合は1ヵ月定期の金利が1.6%です。仮に、1ヵ月間預けたとすると、1.6%×1/12=約0.13%の金利が付きます。それに対して、両替による手数料が0.14%×2回(往復分)=0.28%かかることになります。つまり為替が動かなかったとすると、1ヵ月預けただけでは手数料のほうが上回ることになり、手数料分を取り返すためには3ヵ月程度預けておく必要があるということがわかります。
ちなみに、実際に外貨預金を始める際は、日本の銀行で外貨口座を開設し始めるのが一般的です(もちろん海外に赴いて現地で口座開設することもできますが、こちらはあまり現実的ではないでしょう)。ただし、銀行ごとに取り扱いのある通貨の種類は異なりますので、口座開設前に確認しておくことをお忘れなく!
いかがでしたでしょうか?外貨預金をする場合は、目先の金利だけではなく手数料にも目を向ける必要があるということがわかりましたね。「初めての外貨預金!通貨選びの際は為替の変動幅に注目を!」では、為替の面からみる通貨選びのポイントをご紹介しておりますので、併せてご覧になってみてください!
ブロードマインド株式会社
執筆者:平原 直樹
財産形成や退職金運用といったお金の殖やし方を多くの方に伝えるべく、日本全国で年間100件を超えるセミナーを開催。最近では、高齢者の財産管理手法として、家族信託を広めるべく活動中。

■保有資格
・IFA(証券外務員一種)
・TLC(生命保険協会認定FP)
・2級FP技能士
・家族信託コーディネーター
・旅行業務取扱主任者

■得意分野
資産運用、ライフプラン、保険全般、住宅ローン、相続、家族信託

■実績
マネーセミナー:年間100回以上開催
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