配偶者控除を受ける際の収入上限が150万円に!その注意点とは?

2018.01.24
税制改正により、2018年から配偶者控除の上限額が変わったことはご存知でしょうか?配偶者がいて、「扶養の範囲」で働くことを意識している方に影響する変更です。扶養のまま損をしないためにはどうしたらいいの?と気になっている方に読んでいただきたいコラムです。
■そもそも配偶者控除とは?
まずは配偶者控除についておさらいしましょう。
配偶者控除を理解するためには、まず日本の所得税の考え方を把握する必要があります。基本的に所得税は累進課税という制度を取っていて、収入が多い人ほど多く課税されます。逆にいうと、所得税を減らすためには、収入を下げればよいというわけです。とはいえ、実収入を減らしてしまったら意味がありませんよね。
そこでポイントになるのが「控除」という考え方です。所得税を計算する際、実収入から控除額分を引くことができます。実収入が同じでも、控除の額が増えるほど、課税額(所得税額)が少なくて済みます。その控除の一つが「配偶者控除」です。独身世帯と、扶養する配偶者がいる世帯とで比較をすると、配偶者がいる世帯のほうが生活費などがかさむことが予想されますよね。その分、所得税額を減らしてあげようというのが、配偶者控除の基本的な考え方です。
■配偶者控除の変更点
配偶者控除を受ける場合、2017年まで妻の収入が103万円以下という条件がありました。この場合、妻の収入が103万円以下であれば38万円分配偶者の収入から控除を受けることができました。
【減らせる所得税額】
所得税率10%の場合:38万円×10%⇒38,000円
所得税率20%の場合:38万円×20%⇒76,000円
このように税率が高い(収入が高い)家庭ほど、税効果が高くなります。また、103万円を超えても「配偶者特別控除」という別の制度がありました。妻の収入が144万円以内であれば控除額自体は減額され、段階的に控除を受けることができるというものです。
2018年からは、配偶者控除を受ける妻の収入の上限額が、103万円から150万円に引き上げられました。103万円は月額換算すると約8.5万円、150万円は12.5万円/月です。これまでより長く働くことができるということですね。なお、150万円を超えても201万円以内であれば配偶者特別控除を利用することができます。
■130万円を超えて働く場合の注意点
扶養を意識して仕事をしている方にとっては、上限額が上がったことにより、今までよりも長い時間働くことができることになります。しかし、扶養という観点からは税制面だけではなく社会保険の観点も必要です。基本的に130万円を超えて仕事をする場合、社会保険上の扶養から外れて自身で社会保険に加入する必要があります。社会保険料を自身で支払うとなると、実質の手取り額は減少することになりますね。ですが、勤務先の社会保険に加入できた場合は厚生年金に加入することになるため、将来受取る年金額が増えるというメリットもあり、意味がある支払いとも言えます。
問題なのは、勤務先の社会保険に加入できなかった場合です。
この場合は、年金も国民年金です。扶養扱いである第三号被保険者も、自身で保険料を納付する第一号被保険者も、将来受取る年金額は同じなので、単純に支払いが増えるということになります。扶養を意識している働き方の場合、勤務先の社会保険の加入要件を満たさないことが珍しくありません。
今回の改正は、所得税の103万円という上限によって女性の社会進出を防いでいることを改善するための改正ですが、結局社会保険との兼ね合いを意識する必要があります。そのため、「扶養のまま世帯収入も上げたい!」そんな風にお考えの方にとっては、今回の上限額の引き上げ(103万円→150万円)は、片手落ちになる可能性があります。「世帯収入を上げたい!」そうお考えの方は、フルタイムで働くことも視野に入れてもいいでしょう
これをきっかけに、ご自身の働き方を一度考えてみてはいかがでしょうか?
ブロードマインド株式会社
第一種証券外務員を保有するお金のプロ!
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