離婚による財産分与。3つの資産の注意点とは?

2018.03.21 (更新日:2018.03.22)
結婚時には思いもしていなかったけれど、仕事の忙しさなどによるすれ違いで、「離婚」を選択することになるご夫婦もいらっしゃるかと思います。離婚時には、離婚理由などによってさまざまなお金の問題がついて回ります。今回は、離婚の財産分与における注意点について解説します。
■離婚で起こる3つのお金の問題
離婚によるお金の問題と言えば、大きく「慰謝料」「養育費」「財産分与」の3つがあります。
まず、相手が不倫をしていた、相手から身体的な暴力(DV)や精神的な暴力(モラル・ハラスメント)を受けたなど、精神的な被害を受けた場合にその損害賠償として請求できるのが慰謝料です。単純な性格の不一致などでは、慰謝料は発生しないことが多いようです。
次に、離婚相手との間に子どもがいる場合に、その子どもを養うために請求できるのが「養育費」です。当然、夫婦間に子どもがいないのであれば、養育費は発生しません。
最後に、夫婦間に子どもがおらず、かつ夫婦関係で揉めることなく離婚する場合に発生するのが財産分与です。婚姻期間に築いた財産は、名義がどちらかのものであっても夫婦の共有財産とみなされます。仮に、妻が専業主婦で収入がなかったとしても同様です。そのため、離婚をする場合は、婚姻期間に築いた共有財産を半分ずつわけあうのが基本的な考え方です。
ここで注意が必要なのは、その財産がいつ築かれたのか?という点です。婚姻期間中なのか否かで財産分与に影響がでます。結婚後に増えた夫婦の貯蓄に関しては、財産分与の対象となります。一方、結婚前の貯蓄は夫婦の共有財産とはなりませんので、財産分与の対象外というわけですね。
■財産分与で気をつけるべき資産とは?
さて、財産分与において、気をつけるべき資産があります。今回は、そのなかでも代表的な3つの資産について紹介しましょう。
【持ち家】
一番頭を悩ますのが、「持ち家」の扱いかと思います。前述の通り、どちらかが婚姻前に購入した自宅であれば財産分与の対象外ですが、結婚後に購入した自宅であれば財産分与の対象となります。とはいえ、自宅の扱いは非常に複雑です。離婚後、一緒に住むことはまずないでしょうから、 部屋を単純に分割するわけにはいきませんよね。
では、売却してその資金をわければ良いのでしょうか?
双方とも家を出るのであれば可能かもしれませんが、どちらかは家に残るケースもありますよね。また、住宅ローンを組んで自宅を購入した場合、自宅を売却してもローンが残る(オーバーローン)状態かもしれません。この場合、不足分を一括返済できる現金がない場合は、売るに売れませんよね。なお、不動産の名義やローンの支払い義務者をどうしているのか?も関わってきます。このように、ご夫婦の置かれている状況で、自宅の取り扱いは大きく異なってくるのです。
【年金】
次に、「年金」です。国民年金しかもらえない専業主婦の救済を目的に、2008年より離婚時の年金分割制度が始まりました。そうは言っても、あくまで「婚姻期間中」の「厚生年金部分」を分割するだけです。「年金の分割」という言葉が一人歩きしていますが、夫の年金額の半分が受け取れるわけではありませんのでご注意ください。
また、対象となるのは2008年4月以降で、ご自身が第三号被保険者(専業主婦)だった期間のみです。それ以前の期間に関しては、分割を受ける場合は相手の合意が必要となります。
なお、忘れてはいけないのは、分割を受けるためには必ず請求手続きが必要になるということ。離婚をしたら、自動で厚生年金部分が分割されるわけではありませんのでお気をつけください。原則、離婚後2年を過ぎてしまうと分割請求の手続き自体ができなくなってしまいますので注意が必要ですね。
【生命保険】
最後に、「生命保険」です。老後の備えを目的に、貯蓄性のある生命保険に加入する方も珍しくありません。共働き期間中など、ご夫婦のどちらかに寄せて加入するケースもありますが、離婚後この生命保険をどうするのか?はきちんと確認しておく必要があります。当然ですが、保険契約は契約者の物ですので、離婚後は契約者だけのものとして継続することになります。
離婚時に解約するのも一つの手ですが、生命保険は加入後数年で解約してしまうと支払額よりも減って戻ってくる(元本割れする)ことが一般的です。こうしたことを考えると、そもそも生命保険に加入する際に、契約者は誰にするのか?などを慎重に考えておいたほうが良いかもしれませんね。
結婚よりもパワーがいる離婚。離婚時に大きな揉めごとになりかねないお金の問題は、離婚に強い弁護士を頼るなど、プロの力もしっかり借りて解決することをおすすめします。
ブロードマインド株式会社
執筆者:平原 直樹
財産形成や退職金運用といったお金の殖やし方を多くの方に伝えるべく、日本全国で年間100件を超えるセミナーを開催。最近では、高齢者の財産管理手法として、家族信託を広めるべく活動中。

■保有資格
・IFA(証券外務員一種)
・TLC(生命保険協会認定FP)
・2級FP技能士
・家族信託コーディネーター
・旅行業務取扱主任者

■得意分野
資産運用、ライフプラン、保険全般、住宅ローン、相続、家族信託

■実績
マネーセミナー:年間100回以上開催
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