2019年6月からふるさと納税はどう変わる?

2019.05.03 (更新日:2019.05.07)
Sodanのコラムでも皆さんの関心が高い「ふるさと納税」。2019年6月から制度が変わることはご存知でしょうか。制度改正を前に「どのように変わるのか」「ふるさと納税をする場合に注意しなければならないこと」をファイナンシャルプランナーの坂本卓也(所属:ブロードマインド株式会社)が解説いたします。
■ふるさと納税はなぜ改正するの?
ふるさと納税は、ゆかりのある地域や応援したい地域に寄付をすることで、寄付した自治体から特産品などの返礼品を受け取ることができ、自己負担2,000円を超えた分が住民税から還付される仕組みの制度です。
ふるさと納税の本来の目的は次の3つとなります。
①税収の多い都市部から税収の少ない地方へ還元できるようにする
②納税者が寄付先を選択し、その寄付金の使われ方を納税者が考えるきっかけとする
③自治体が各自で取り組みを考え、自治体間の競争を促す
年々ふるさと納税の認知も高まり、利用者も増加しました。しかし、自治体間の競争が過熱した結果、ギフトカードや高額電化製品などの、自治体と関係のない返礼品が登場したり、寄付金に対する返礼品の割合が高く、自治体に入る税収が非常に少なくなってしまったのです。
総務省では地元の特産品を返礼品の対象とすることや、返礼品費用の割合を寄付金額の3割以下にするよう自治体へ要請していましたが、過当競争により要請を守らない自治体が増え、要請通りに運営している自治体が損をしてしまう結果となってしまいました。
さらに、ふるさと納税により都市部の税収が想定以上に大きく減少してしまったことも要因となり、制度が改正されることとなりました。
■2019年6月からどう変わる?
2019年6月1日よりふるさと納税に係る指定制度が創設され、以下の基準に適した自治体を総務大臣がふるさと納税の対象として指定します。
①寄付金の募集を適正に実施する地方団体
②(①の地方団体で)返礼品を送付する場合には、以下のいずれも満たす地方団体
・返礼品の返礼割合を3割以下とすること
・返礼品を地場産品とすること
(出典元:ふるさと納税に係る指定制度について/総務省
6月1日以降にふるさと納税をする際は、総務大臣の指定対象外の自治体に対して寄付をすると、寄付金控除が適応されず、住民税の控除を受けることができません。そのため寄付先の自治体が指定を受けているかどうかを十分確認してから寄付をする必要があります。
■地場産品の定義
現段階では地域とまったく関係のないものも返礼品として取り扱われていますが、地場産品とは具体的にどのような定義となるのでしょうか。総務省の基準(一部抜粋)によると、
①区域内で生産されたもの
②区域内で原材料の主要な部分が生産されたもの
③区域内で製造、加工その他の工程のうち主要な部分を行うことにより相応の付加価値が生じているもの
などが地場産品として認められるものとなります。
(参考:ふるさと納税に係る指定制度の運用について/総務省自治税務局市町村税課長)
例えば、
・区域内で生産された牛乳や果物を100%使用した区域外で製造されたジュース
・区域外で生産された原材料を用いて、区域内の醸造所で醸造したお酒
などは地場産品と認められます。
一方、地場産品と認められないものの例としては、
・区域内で生産された牛乳を1割使用した区域外で製造されたアイスクリーム
・区域内事業者がパッケージしている区域外で生産されたフルーツ
などとなるようです。
(参考:「ふるさと納税に係る指定制度の運用についてのQ&Aについて」/総務省自治税務局市町村税課
■ふるさと納税の対象品であるかを確認しよう!
繰り返しになりますが、2019年6月以降、地場産品以外は寄付金控除の対象となりません。しかし、寄付の返礼品をふるさと納税対象外の商品とする自治体が出てくる可能性はゼロではありません。その場合、寄付者は寄付金控除を受けられません。
※寄付金控除の対象外の返礼品については、その旨を記載する義務があります。現状では特にそのような例は確認できていませんが、今後現れる可能性がありますので注意しましょう。
なお、昨年のふるさと納税の利用金額に対しての寄付金控除の対象の割合は約70%でした。つまり、30%の人は控除可能額を超えてふるさと納税を利用したか、寄付金控除の申請を忘れてしまったということ等が考えられ、住民税から還付を受けられていないことになります。当然、善意で控除可能額を超えて寄付をする分には問題ないですが、想定外で超えてしまったり、申請を忘れてしまったらもったいないですよね。申し込む際には十分ご注意ください。
筆者は昨年出身地のふるさと納税を利用し、地元のお肉や果物を頂きました。ふるさと納税によって、東京にいながら地元のおいしい食材を味わうことがでいるので今後も積極的に利用していきたいと思っています。規制を守らない自治体によって、ふるさと納税の制度がなくならないよう適切に運営されてほしいものです。
いかがでしたでしょうか?ふるさと納税をお得に活用するためにも、しっかりと仕組みを理解して手続きをしていきましょう。ふるさと納税を活用して豊かな生活の実現に役立ててくださいね。
ブロードマインド株式会社
執筆者:坂本 卓也
新婚世帯や子育て世帯へ向けたマネーセミナー講師として活動。社会保障や金融商品、ニュースでよく聞く言葉など、皆さまの疑問を解決し、生活に役立てていただけるような情報を発信します。

■保有資格
・TLC(生命保険協会認定FP)
・2級FP技能士

■得意分野
資産運用、ライフプラン、保険全般、住宅ローン

■実績
マネーセミナー:年間50回以上開催