病気やケガをした場合、みんなどうやって収入を補っているの?

2020.01.17 (更新日:2020.01.17)
『日々の生活で不安を感じていることとは?』では、生命保険文化センター「令和元年度 生活保障に関する調査」を基に、「日ごろの生活や将来に向けて不安に感じていること」に関してアンケートをご紹介しました。「日ごろの生活や将来に向けて不安に感じていること」に関しては、最も不安を感じていることに挙げられていることが「自分が病気や事故にあうこと」になっています。
今回は、ファイナンシャルプランナーの平原直樹(所属:ブロードマインド株式会社)が先のアンケートを基に「自分がけがや病気をすることについての不安感」に関して解説いたします。
 
■自分がけがや病気をすることに不安を抱えている人はどのくらい?
実際にどの程度の方が不安を感じているのでしょうか?「自分がけがや病気をすることについて不安を感じるか?」に対しての回答は以下となっています。
非常に不安を感じる→21.0%
不安を感じる→36.4%
少し不安を感じる→32.3%
不安感無し→9.8%
わからない→0.6%
不安感がある方が全体の9割近いことがわかります。それでは不安を感じている方は、具体的にどんな不安を感じているのでしょうか?
まず、「ケガ」、「病気」どちらを心配している方が多いのか?を見ていきましょう。
回答が多い順に並べると以下の通りです。
三大疾病になる→42.9%
不慮の事故にあう→40.8%
慢性疾患にかかる→25.4%
僅差ではありますが、三大疾病(脳、心臓、癌)という大病を心配している方が一番多いことがわかります。日本人の死因トップ3と言われる三大疾病ですので、心配になるのも頷けますね。
■けがや病気になってしまった時の心配事とは?
また、ケガや病気になってしまった結果、どんなことが起こることを心配しているのでしょうか?
家族に肉体的・精神的負担をかける→52.3%
長期の入院で医療費がかさむ→51.8%
後遺症や障害が残る→46.3%
障害等により就労不能となること→43.7%
公的医療保険だけで不十分→42.0%
治療の長期化で収入が途絶える→36.3%
現在の経済的な準備では費用がまかなえない→31.3%
保険対象外の先進医療の費用がかかる→30.3%
以前のように復職できるか不安→25.4%
家族の見舞いなど付随的な費用がかかる→23.4%
保険対象外の差額ベッド代がかかる→21.9%
適切な治療が受けられるかわからない→18.2%
その他→0.5%
わからない→0.6%
家族に心配や迷惑を掛ける点が一番多くの回答を集めています。
確かに自分がケガや病気をしてしまった場合、周囲の家族は心配でしょうし、お見舞いや看護など実質的な手間を取らすことになりますよね。
そして、それ以降は治療費や収入の減少などの経済的な心配事が多いようです。
確かにちょっとした出費であれば問題ないのかもしれませんが、治療が長期化するとやはり心配ですよね。
 
■けがや病気をした場合の入院はどのくらい?
大きなケガや病気をしてしまった場合、入院をすることが予想されます。最近入院は短期化していると言われることが多いのですが、実際に、直近5年でケガや病気で入院した方はどの程度の期間入院をしていたのでしょうか?
5日未満→20.9%
5~7日→27.3%
8~14日→27.1%
15~30日→15.7%
31~60日→5.3%
61日以上→3.6%
全体の半数近くが、一週間以内の入院となっています。そういう意味では、入院の短期化は間違ってなさそうです。
とはいえ、全体の9%弱の方は、一か月以上の長期入院となっています。こうした方が平均日数を引き上げた結果、平均入院日数は15.7日となっています。短期化の傾向があるとはいえ、長期入院もあり得ると考えた方が無難かもしれませんね。
さて、万が一入院をしてしまった場合、気になるのは自己負担がどれくらいか?ということですよね。こちらの結果も見てみましょう。
■入院をした場合の自己負担はどのくらい?
<直近の入院時の一日当たりの自己負担費用>
#高額療養費を利用した場合は、高額療養費利用後の負担額となっています。
(出典:生命保険文化センター「令和元年度 生活保障に関する調査」
平均額23,300円/日となっています。なお、この自己負担額には治療費以外にも食事代や差額ベッド代、交通費などが含まれています。自己負担額が10,000円/日以内に収まっているのは、全体の3割にも満たないことがわかります。やはり入院をした場合それなりの出費が必要なことがわかりますね。
また、入院をしてしまうと当然その間仕事はできませんよね。有給がある期間であれば問題はありませんが、有給の期間が過ぎた場合やそもそも有給制度の無い自営業者の場合は、入金の期間は収入が減ってしまうことになります。こうした「逸失収入」についても調査されています。
逸失収入はない→59.2%
逸失収入がある→21.6%
わからない→19.2%
これまでの問いと比較して「わからない」の回答の割合が大きいことがわかります。実際に支払った出費に目が行きがちで、「逸失収入」という考え方は忘れてしまわれがちなのかもしれません。
なお、実際に「逸失収入がある」と回答した方々にその金額を確認すると以下の通りです。
(出典:生命保険文化センター「令和元年度 生活保障に関する調査」
平均額19,500円/日となっています。もちろん、入院期間が長くなれば逸失収入も大きくなりますので、長期入院などの場合は家計への影響も馬鹿になりません。
この様にケガや病気で入院をしてしまった場合、治療費の自己負担だけでなく本来もらえるべき収入が入ってこないということにもなりかねません。多くの方が事故や病気を心配していることも納得ですよね。
 
■けがや病気をした場合どうやって収入を補っているの?
さて、実際にこうしたケガや病気で入院してしまった場合、どんな手段で自己負担額や逸失収入を賄っているのでしょうか?
<直近の入院時の自己負担費用や逸失収入の充当手段>
生命保険→73.8%
預貯金→35.6%
家族の収入→18.2%
損害保険→7.0%
勤務先の見舞金/休業補償→5.7%
有価証券→0.2%
その他→3.9%
圧倒的に生命保険が多いことがわかりますね。ケガや病気で入院した時の利用ということですので、いわゆる医療保険を利用した方が多いことが予想されます。皆さんいくらくらい保険から受け取れたのでしょうか?次回は、ケガや病気で入院した方が実際に利用した保険に関して解説いたします。
ブロードマインド株式会社
執筆者:平原 直樹
財産形成や退職金運用といったお金の殖やし方を多くの方に伝えるべく、日本全国で年間100件を超えるセミナーを開催。最近では、高齢者の財産管理手法として、家族信託を広めるべく活動中。

■保有資格
・IFA(証券外務員一種)
・TLC(生命保険協会認定FP)
・2級FP技能士
・家族信託コーディネーター
・旅行業務取扱主任者

■得意分野
資産運用、ライフプラン、保険全般、住宅ローン、相続、家族信託

■実績
マネーセミナー:年間100回以上開催