コレステロール値に異常が見つかったら、生命保険に加入できない??

2019.11.29 (更新日:2019.11.29)
みなさん、毎年健康診断を受けていらっしゃいますでしょうか?若い時は特に指摘がなかった方でも、ある程度の年齢になると指摘を受ける項目が増え始め、食生活を見直さないと…と不安になった経験がある方も珍しくないかと思います。今回は、ファイナンシャルプランナーの平原直樹(所属:ブロードマインド株式会社)が、健康診断時に知っておきたいコレステロール値などについて解説します。
■メタボって具体的にどんな状態?
アラフォー世代の私の周囲で、耳にする機会が増えてきた「メタボ」という言葉。メタボいうと肥満をイメージする方が多いようですが、具体的にはどんな状態なのでしょうか?正しくは「メタボリックシンドローム」と言いますが、以下2つを満たす状態のことを指します。
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・腹囲が男性85㎝以上、女性90㎝以上
・脂質・血圧・血糖の2つ以上が基準値を超えている
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腹囲が大きくなる=お腹が出てくるということなので、肥満というイメージは間違っていません。健康診断などで、脂質・血圧・血糖の2つ以上で指摘が発生するため、単純な肥満よりも気をつける必要がありそうです。
ちなみに肥満に関しては、身長と体重を用いて計算するBMIという指標で図ることができます。具体的な計算式は以下の通りです。
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BMI=体重÷身長²
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BMIは22が理想体重と言われ、25以上が肥満という扱いになります。身長170㎝の方の場合、理想体重:63.58kg、肥満:72.25kg以上ということになるわけです。私の周りでもBMIが25近い人が少しずつ増えてきました。
さて、脂質・血圧・血糖、いずれも基準値を超えると生活習慣病につながる恐れがある項目です。血圧が高い⇒高血圧、血糖値が高い⇒糖尿病と、血圧、血糖に関しては、該当する生活習慣病がイメージしやすいですよね。一方、脂質に関しては、理解が浅い方が少なくありません。その一つの理由として、脂質はチェックする項目がいくつかあるためです。
かつては、脂質を測るためには「総コレステロール値」を基準にしていました。現在では「総コレステロール値」以外にも、「中性脂肪」「LDLコレステロール値」「HDLコレステロール値」もチェックされるようになりました。
■脂質を測る各項目の意味と基準値とは?
脂質と聞くと、少ない方が良い!というイメージをお持ちの方もいらっしゃいますが、身体にとっては必要な栄養素です。脂質にはいくつか種類がありますが、代表的な脂質として「中性脂肪」と「コレステロール」があります。
コレステロールとは、脂肪の消化や吸収に必要な胆汁酸を作ったり、ホルモンの原料になったりと体を作る上で必要な脂質です。余分に取りすぎると、動脈硬化を引きおこす恐れがあります。動脈硬化は血管の老化とも言われ、血液の通り道が狭くなったり、血栓ができて詰まってしまうことで、脳梗塞や心筋梗塞といった命に係わる大病につながる非常に危険な状態です。
一方、中性脂肪は脂肪組織に貯えられるいわゆる皮下脂肪です。皮下脂肪というと良いイメージがありませんが、体温の保持などには必要となりますので、やはり必要なものだということがわかります。
もちろん、中性脂肪は貯えすぎると肥満になってしまうため、一定の範囲に抑える必要があります。中性脂肪の一般的な基準値としては、30~149㎎/dlと言われています。150以上になると注意が必要ということですね。
前述の通り、コレステロールに関しては、総コレステロール値を参考にしていましたが、現在では、「HDLコレステロール」と「LDLコレステロール」とに分解してチェックされることが一般的です。
基本的にコレステロールは肝臓で作られて、血管を通じて全身に運ばれます。その際、余分なコレステロールは肝臓に戻ってくる仕組みになっています。HDLコレステロールは、いわゆる善玉コレステロールと呼ばれ、血管の壁にたまったコレステロールを肝臓に持ち帰る役割を果たします。そのため、通常健康診断の指標は高いと問題になることが多いですが、HDLコレステロールに関しては低すぎると健康診断の指摘事項となります。HDLコレステロールが、40mg/dl未満の場合は注意が必要です。
次に、LDLコレステロールは悪玉コレステロールと呼ばれます。使わないコレステロールを血管などに置いてきてしまいます。血管などにコレステロールが貯まると動脈硬化を引き起こすので、悪玉と言われるわけですね。そのため、LDLコレステロールに関しては、基準値を上回ると問題になります。具体的には、140mg/dlを超えると健康診断の指摘事項となります。こうしたコレステロール値の異常のことをかつては「高脂血症」と呼びましたが、現在では「脂質異常症」と呼ばれます。
■「脂質異常症」だと生命保険に加入できないの?
脂質異常症の方からよくいただく質問が、「生命保険に加入できないのか?」という点です。中性脂肪や各コレステロール値に健康診断で指摘があったからと言って、すぐ生命保険に加入できなくなるわけではありません。生命保険会社ごとに引き受け基準は異なりますが、健康診断の基準値と比較すると、かなり引き受け条件は緩和されているようです。
例えば、LDLコレステロール(悪玉コレステロール)に関しては、健康診断上は140mg/dlが基準値なのに対し、某保険会社では180mg/dlまでは問題なく加入できます。中性脂肪に関しては、健康診断上は150mg/dlが基準値なのに対し、某保険会社では400mg/dlまではOKと健康診断の基準値を大幅に超えても加入ができるようです。
健康診断で脂質の指摘を受けたと言っても、必ずしも保険加入を諦める必要はありません。また、加入時の引き受け条件は各社違うため、健康診断で指摘事項がある方は複数の保険会社で査定を受けることをおすすめします。
やはり、自分自身の健康を維持する上で、脂質を適切に保つことはとても重要です。適切な運動と適切な食事、そして禁煙が重要と言われています。ぜひ皆さんも日々の生活で意識してみてくださいね!
ブロードマインド株式会社
執筆者:平原 直樹
財産形成や退職金運用といったお金の殖やし方を多くの方に伝えるべく、日本全国で年間100件を超えるセミナーを開催。最近では、高齢者の財産管理手法として、家族信託を広めるべく活動中。

■保有資格
・IFA(証券外務員一種)
・TLC(生命保険協会認定FP)
・2級FP技能士
・家族信託コーディネーター
・旅行業務取扱主任者

■得意分野
資産運用、ライフプラン、保険全般、住宅ローン、相続、家族信託

■実績
マネーセミナー:年間100回以上開催