増税前と増税後、住宅購入はどちらがおトク?

2019.09.02 (更新日:2019.09.02)
10月より消費税が8%から10%に増税されることに伴い、住宅購入の時期について頭を悩ませている方も多いのではないでしょうか?しかしながら、住宅購入に関しては増税の影響を受ける部分と受けない部分があることをご存知でしょうか?今回は、ファイナンシャルプランナーの平原直樹(所属:ブロードマインド株式会社)が、消費税増税前と増税後の住宅購入に関してお伝えします。
■増税によって何の支払いが増える?
消費税が増税されると、当然、その分支払う税金が増えますよね。住宅というのは「土地」と「建物」で構成されています。建物部分は、増税によって支払い額に影響が出ます(支払いが増えます)。
一方、土地部分は増税の影響は受けません。というのは、そもそも「土地」というのは非課税となっているためです。したがって、消費税が増税したからと言って、不動産価格全体に影響が出る訳ではありません。
また、同じ住宅でも土地部分の割合が大きい木造一戸建てと、建物部分が大きい新築マンションとでは、消費税増税の影響も違ってきます。当然、増税対象となる建物部分が大きい新築マンションの方が、より増税の影響を受けることになります。
■増税後に拡充される制度とは?
それでは、「新築マンションは必ず増税前に購入した方が良いのか?」というと、必ずしもそうとは言えません。というのは、増税後の不動産市場の冷え込みを抑えるために、増税後に購入した方に対する2つのバックアップ制度が用意されているためです。
①住宅ローン控除
住宅ローン控除とは、住宅ローンの年末残高の1%が所得税から還付される制度です。ただし、購入した時期によって上限額が設定されています。平成26年以降に住宅を購入した方は、上限額が40万円(認定長期優良住宅は50万円)です。年末時点の住宅ローンの借入残高が6,000万円だったとしても、6,000万円×1%→60万円とはならず、40万円(認定長期優良住宅の場合は50万円)が適用されます。
さて、いずれにしても住宅ローンを組んでいると所得税が戻ってくるということですが現在の住宅ローン金利は0.××%と、1%を割り込む水準になっています。支払利息と控除額とを比較すると、ローンを組んでいる方がお得という事態にもなっています。
こんなお得な住宅ローン控除ですが、増税後に購入した場合は、控除を受けられる期間が10年⇒13年とより長期間利用できることになります。住宅ローン控除を利用できる期間が長くなるのであれば、その分戻ってくる所得税も多くなるわけです。よりお得ですよね。ただし、計算方法が若干複雑になりますので注意しましょう。
1年目~10年目:年末時点の住宅ローン借入残高×1%(上限40万円)
11年目~13年目:下記いずれか金額が小さい方が適用されます
・年末時点の住宅ローン借入残高×1%(上限40万円)
・建物価格(4000万円が限度)×2%÷3
※長期優良住宅の場合は、40万円→50万円、4,000万円→5,000万円と上限額が高くなります。
では、仮に建物価格が4,000万円だったとして、住宅ローン控除の拡充と増税分とを比較してみましょう。増税による負担増は4,000万円×2%→80万円となります。
一方、住宅ローン控除の適用に伴う還付額は、4,000万円×2%÷3×3年→80万円
です。つまり、増税分の影響は無いと言い換えることもできますね。
②すまい給付金
住宅ローン控除とは異なる制度ですが、一定の要件を満たす住宅購入者に対して、現金の給付を行う「すまい給付金」という制度があります。
こちらの制度も8%→10%の増税前後でもらえる給付額や対象者が変わっています。より多くの方が給付できるようになっていますのでチェックしておきましょう。
なお、収入額の目安に関しては、家族の人数などで変わってきます。ご自身の場合いくら給付が受けられるか知りたい方は、すまい給付金のホームページでシミュレーション可能です。
では、すまい給付金シュミレーションを使って増税前と増税後を比較してみましょう。(条件:一人で住宅所有、住宅ローンあり、年収400万円、扶養人数2人)
このように、住宅ローン控除もすまい給付金も増税後の方がより制度が拡充されるということがわかりますね。また、増税による買い控えを避けるために、不動産業者による「値引き」が発生する可能性もあります。こうした点を考慮すると、個人的には「無理して増税前に買う必要はない」と考えています。
 
不動産を購入する際は、住宅ローンや火災保険など、物件選び以外にも色々検討するべきことがあります。また、今後ローンを返済していくことを考えた際に、検討している物件を購入して問題ないのか?も心配ですよね。住宅購入を検討している方は、一度ファイナンシャルプランナーに相談してみることをおすすめします。
なお、住宅ローン控除もすまい給付金も利用するのには一定の要件があります。ご自身の収入等だけではなく、物件の要件もありますので、不動産業者に今回の物件が対象になるのか?は必ず確認するようにしましょう!
ブロードマインド株式会社
執筆者:平原 直樹
財産形成や退職金運用といったお金の殖やし方を多くの方に伝えるべく、日本全国で年間100件を超えるセミナーを開催。最近では、高齢者の財産管理手法として、家族信託を広めるべく活動中。

■保有資格
・IFA(証券外務員一種)
・TLC(生命保険協会認定FP)
・2級FP技能士
・家族信託コーディネーター
・旅行業務取扱主任者

■得意分野
資産運用、ライフプラン、保険全般、住宅ローン、相続、家族信託

■実績
マネーセミナー:年間100回以上開催
  • この記事が参考になったら
    いいね! してね