初めて住宅ローン控除を受けるあなたへ。初年度の確定申告を忘れずに!

2019.02.11
住宅購入者の強い味方ともいえる「住宅ローン控除」。ただし、住宅ローン控除は一定の条件を満たし、なおかつ“確定申告”を行わなければ受けられないことをご存知でしょうか・・・?今回は、ファイナンシャルプランナーの平原直樹(所属:ブロードマインド株式会社)が住宅購入したばかりの方々向けに、住宅ローン控除について解説いたします。
■そもそも住宅ローン控除とは?
消費税の増税に伴い拡充される予定の住宅ローン控除。正しくは、「住宅借入金等特別控除」といいます。簡単にお伝えすると、住宅ローンの残高に応じて支払った所得税を還付してくれる制度のことです。支払った税金が戻ってくるなんてお得な制度ですよね。では、2018年に住宅購入した方の住宅ローン控除の内容を確認してみましょう。
【住宅ローン控除の内容】
控除額年末残高の1%
年間最大控除額40万円
※認定住宅は50万円
控除期間10年
つまり、10年にわたって住宅ローンの年末残高の1%(年間最大40万円まで)分、所得税が還付されるということです。なお、認定長期優良住宅や認定低炭素住宅の場合は、年間最大控除額が50万円まで拡大します。
住宅購入時に、「住宅ローン控除を利用すると、40万円×10年=400万円の所得税が還付されるのでお得!」というセールストークを耳にしますが、必ずしもそうとは限りませんのでご注意ください。仮に4,000万円の住宅ローンを組んだ場合を考えてみましょう。当然ですが、毎月返済するにつれてその分残債も減っていくことになります。ということは、住宅ローン控除はあくまでもローン残高の1%が還付されるという制度なので、その分使える控除額も減ることになるというわけです。結果、4,000万円で住宅ローンを組んだとしても年々住宅ローンの残債は減っていきますので、40万円×10年=400万円にはならないということですね。
ちなみに、そもそも所得税を40万円も支払っていないという場合は、差額を住民税の還付に回すことも可能です。所得税の場合は一括で還付されますが、住民税の場合は、翌年の住民税が減ることになります。還付方法が異なるという点に留意しておきましょう。
■住宅ローン控除は誰でも受けられるの?
さて、住宅ローン控除は住宅購入した方全員が受けられるわけではなく、以下の条件を満たした物件を購入した方だけが対象となります。
自ら所有し、居住する住宅であること
住宅の引渡し又は工事完了から6ヵ月以内に居住の用に供すること
床面積が50㎡以上であること
延べ床面積の1/2以上が居住用であること
ローンの返済期間が10年以上であること
年間所得が3,000万円以下であること
(参照:No.1213 住宅を新築又は新築住宅を購入した場合(住宅借入金等特別控除)/国税庁
つまり、年末ぎりぎりに購入して引き渡しが年をまたいでしまった方などは、次回(次年度)からのローン控除を適用することになります。また、返済期間が短い方や購入した住宅を事務所として利用している方、所得が非常に高い方などは対象外になる可能性があるというわけです。
ちなみに、新築ではなく中古物件を購入した方も、一定の要件を満たしていれば住宅ローン控除を利用することが可能です。木造の場合は築20年以内、マンションなど鉄筋コンクリートの場合は築25年以内など物件によって条件が異なります。そのため、これから中古物件を購入される方は、住宅ローン控除の対象物件かどうかも踏まえて検討されると良いかもしれませんね。
(参照:No.1214 中古住宅を取得した場合(住宅借入金等特別控除)/国税庁
■住宅ローン控除を受けるにはどんな手続きが必要なの?
実際に、住宅ローン控除を利用するにあたっては確定申告を行う必要があります。つまり、ご自身で申告書を作成のうえ税務署に提出するというわけです。普段、お勤め先の会社で年末調整をしてもらっている会社員の方などは、初めて確定申告をするという方も珍しくないでしょう。初めてとなると不安もあるかと思いますが、最寄りの税務署に行くと申告書の書き方を優しく教えてくれますので、あまり心配する必要はありません。
また、現地で一から書類を記入のうえ提出となると時間がかかってしまいます。そのため、国税庁のホームページからウェブ上で申告書を作成することも可能です。あまり時間がとれないという方などは、事前にご自宅で書類を作成していくと良いかもしれませんね。ぜひ、ご自宅にPCがある方は利用してみてください。e-TAXというウェブ上で提出まで完結できるシステムもありますが、こちらはカードリーダーの準備などが必要になります。
なお、次年度以降は以下の2点を勤務先に提出すれば、年末調整のみで住宅ローン控除を受けることが可能です。
・「給与所得者の(特定増改築等)住宅借入金等特別控除申告書」
・「住宅取得資金に係る借入金の年末残高等証明書」
つまり、「確定申告を行う必要があるのは初年度だけ」ということですね。手続きを怠ってしまうと、住宅ローン控除を受けられない(=税の還付がない)のでご注意ください。
いかがでしたでしょうか?今回の申告期間は、2019年2月18日(月)~2019年3月15日(金)までとなります。申告期限が近づくにつれ税務署も混みあってきますので、住宅ローン控除の手続きが必要な方は早めに準備しておくことをおすすめいたします。
ブロードマインド株式会社
執筆者:平原 直樹
財産形成や退職金運用といったお金の殖やし方を多くの方に伝えるべく、日本全国で年間100件を超えるセミナーを開催。最近では、高齢者の財産管理手法として、家族信託を広めるべく活動中。

■保有資格
・IFA(証券外務員一種)
・TLC(生命保険協会認定FP)
・2級FP技能士
・家族信託コーディネーター
・旅行業務取扱主任者

■得意分野
資産運用、ライフプラン、保険全般、住宅ローン、相続、家族信託

■実績
マネーセミナー:年間100回以上開催
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