住宅ローンの繰り上げ返済とは?メリットや種類、タイミングを徹底解説!

2019.01.07
念願のマイホームと引き換えに、何十年にもわたる住宅ローンに頭を悩ます方が少なくありません。住宅ローン=借金であるため、「少しでも早く返済したい!」とお考えの方もいらっしゃるでしょう。そんな今回は、ファイナンシャルプランナーの平原直樹(所属:ブロードマインド株式会社)が住宅ローンの繰り上げ返済について解説します。
■住宅ローンの繰り上げ返済、そのメリットとは?
繰り上げ返済のメリットについて考える前に、まずは住宅ローンの仕組みについて簡単におさらいしましょう。
住宅ローンとは、「借入元金」+「支払利息」で構成されています。そして、「支払利息」は「借入元金」部分に応じて金額が決まるので、元金部分を減らすとそれに応じて支払利息も減っていきます。つまり、より効率的にローンを返済していくためには、いかに元金部分を減らすかがポイントになるというわけです。
上記を踏まえて、繰り上げ返済を行うメリットを考えていきたいと思います。繰り上げ返済とは、毎月の返済とは別にまとまった金額を返済できる制度のことです。そして、繰り上げ返済したお金は、この元金部分に充当されることになります。つまり、繰り上げ返済をすると、ローンの残債が減ると同時に、本来支払うべきだった利息も削減できるということですね。
■繰り上げ返済には2つの種類がある!
一口に繰り上げ返済といっても、「期間短縮型」と「返済額軽減型」の2種類あります。「期間短縮型」とは、借入期間を短くすることを目的とした繰り上げ返済のことです。たとえば、40代で35年ローンを組んだ方などが、「定年後も住宅ローンを払っていくのは不安だから・・・」と返済期間を短くするために行うイメージです。一方「返済額軽減型」とは、毎月の返済額を減らすことを目的とした繰り上げ返済のことです。こちらは、お子さまの教育費負担が大きい方などが、「毎月の住宅ローンの返済額を少しでも減らしたい!」と毎月の返済額を減らすために行うイメージです。
では単純に、「支払利息の軽減」という、住宅ローンを繰り上げ返済するメリットという観点で考えると、どちらがお得なのでしょうか?
たとえば、借入れ金利0.5%、元利均等返済で3,000万円の住宅ローンを返済期間35年で組んだ方が、1年経過後に200万円を「期間短縮型」、「返済額軽減型」それぞれのタイプで繰り上げ返済した場合を考えてみましょう。
上記の場合、毎月の返済額は77,875円/月、総返済額は32,707,500円となります。借入金額は3,000万円ですので、差額の2,707,500円が支払利息というわけですね。それでは、1年後に繰り上げ返済を行うとどうなるのでしょうか?
期間短縮型の場合、返済期間は3年6ヵ月ほど短くなり、総返済額も32,354,304円と、繰り上げ返済前に比べ353,196円減っています。一方、返済額軽減型の場合、毎月の返済額は72,544円/月、総返済額は32,532,452円です。こちらも繰り上げ返済前と比べて、毎月の返済額が5,331円/月、総返済額としては175,048円減ることになります。
総返済額の減少額で比較すると、期間短縮型のほうが支払利息部分を減らすことができているのでより効率的といえます。とはいえ、それぞれ利用する目的が違うので、損得だけで選択するのではなくご自身のニーズに合うほうを選択すると良いでしょう。
■繰り上げ返済を行うタイミングはどう考える?
繰り上げ返済すると、ローンの残債だけでなく支払利息も軽減できるのでお得になるとお伝えしましたが、そのタイミングについてはきちんと考える必要があります。というのも、いつのタイミングで行うのか?によって効果が変わってくるからです。では、先ほどと同じ条件で、住宅ローン開始から1年後、10年後、20年後に繰り上げ返済した場合を比較してみたいと思います。
【1年後】
・返済期間:3年6ヵ月ほど短縮
・総返済額:32,354,304円⇒繰り上げ返済前に比べ、支払利息部分:353,196円の減少
【10年後】
・返済期間:2年4ヵ月ほど短縮
・総返済額:32,463,214円⇒繰り上げ返済前に比べ、支払利息部分:244,286円の減少
【20年後】
・返済期間:2年3ヵ月ほど短縮
・総返済額:32,566,220円⇒繰り上げ返済前に比べ、支払利息部分:141,280円の減少
繰り上げ返済総返済額利息軽減効果返済期間
32,707,500円
1年後32,354,304円-353,196円3年6ヵ月
10年後32,463,214円244,286円2年4ヵ月
20年後32,566,220円141,280円2年3ヵ月
上記の通り、住宅ローン開始から年数が経つほど、返済期間・支払利息ともに減少幅が小さくなっていることがわかります。言い換えると、繰り上げ返済によるメリットが減少しているということです。なぜ年数が経つほどメリットが減少するのかというと、住宅ローンの構成が「借入元金」+「支払利息」となっているため、時期が後になるほど借入元金が減っており、削減できる支払利息も減るからです。つまり、繰り上げ返済をするのであれば、元金が多く残っている早い時期にしたほうがより効果的ということですね。
■繰り上げ返済を行う前に・・・住宅ローン控除の残期間をチェックしよう!
前述の通り、早めに繰り上げ返済を行ったほうが、利息軽減効果は大きくなることがわかりました。とはいえ、早めに繰り上げ返済をする前にチェックするべきことがあります。それは「住宅ローン控除」の存在です。簡単にお伝えすると、住宅ローン控除とは、年度末の借入残高の1%を上限に所得税を還付してくれるという制度です。現在の変動金利の金利水準が0.5%程度ということを考えると、1%というのは大きいですよね。
イメージしやすいように、先ほどの例で考えてみたいと思います。住宅購入から1年後に200万円を繰り上げ返済(期間短縮型)した場合、353,196円もの利息軽減効果がありました。一方で、繰り上げ返済により元金自体も200万円減っているので、利用できる住宅ローン控除の額も減っているといえます。2年目以降は残り9回の住宅ローン控除を利用することができるので、単純計算すると200万円×1%×9年間=18万円分、住宅ローン控除で戻ってくる金額が減ることになります。実際には、繰り上げ返済の手数料などが発生しますので上記の数値とは異なりますが、繰り上げ返済をすることで住宅ローン控除の効果も減少することはご理解いただけたのではないでしょうか。
ここで、住宅ローン控除期間が終わる10年後に繰り上げ返済した場合と比較してみたいと思います。この場合の利息軽減効果は245,286円です。結果どちらのほうがメリットがあるのかというと、1年後は繰り上げ返済による利息軽減効果:353,196円であるのに対し、10年後は繰り上げ返済による利息軽減効果+住宅ローン控除の効果: 245,286円+180,000=425,286円となります。つまり、住宅ローン控除期間の残っている方は控除期間終了後に繰り上げ返済したほうがお得ということですね。
さらに、10年近く繰り上げ返済の原資を取っておけるのであれば、うまく資産を運用することで200万円よりも増やせる可能性があります。その増えた額も繰り上げ返済に充てることで、10年経過後の繰り上げ返済はよりお得になりますよね。
もちろん、すべての方が繰り上げ返済したほうがお得になるわけではありません。そもそも、お住まいの住宅が住宅ローン控除の適用物件なのか?住宅ローンの借入金利が何パーセントなのか?など、ご家庭の状況によっても異なります。また、繰り上げ返済をするにあたって、手数料の有無や繰り上げ返済の最小金額などの諸条件は金融機関ごとに異なるため、こういったことも踏まえて考える必要があります。
「わが家の場合は、どうなのかな?」と気になる方は、まずはファイナンシャルプランナー(FP)に相談のうえ、シミュレーションしてみることをおすすめいたします。なお、Sodan[ソダン]では対面での相談をはじめ、テレビ電話での相談も無料で受け付けておりますので、ご興味のある方はお気軽にご利用くださいね。
ブロードマインド株式会社
執筆者:平原 直樹
財産形成や退職金運用といったお金の殖やし方を多くの方に伝えるべく、日本全国で年間100件を超えるセミナーを開催。最近では、高齢者の財産管理手法として、家族信託を広めるべく活動中。

■保有資格
・IFA(証券外務員一種)
・TLC(生命保険協会認定FP)
・2級FP技能士
・家族信託コーディネーター
・旅行業務取扱主任者

■得意分野
資産運用、ライフプラン、保険全般、住宅ローン、相続、家族信託

■実績
マネーセミナー:年間100回以上開催
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