奨学金の返済が難しい・・・そんな時に利用できる2つの制度とは?

2019.03.01 (更新日:2019.03.01)
今や大学生の2人に1人が利用している奨学金。大学卒業後すぐに大きな借金としてのしかかるため、返済も大変ですよね。転職による収入減や病気やケガによる出費増など、生活費や治療費がかさむと奨学金の返済まで手が回らなくなってしまうかもしれません。今回は、ファイナンシャルプランナーの坂本卓也(所属:ブロードマインド株式会社)が、奨学金の返済が難しくなってしまった際に利用できる2つの制度について解説いたします。
■奨学金の返済が遅れてしまったらどうなるの?
大学や専門学校を卒業したものの思うように収入が得られなかったり、病気やケガで働けなくなって収入が減少してしまい、奨学金の返済が滞ってしまう方も少なくありません。では、奨学金の返済が遅れてしまうとどうなるのでしょうか?
まず、日本学生支援機構もしくは債権回収会社より、文書および電話や訪問による督促が行われます。督促を行ったにも関わらず返済がなければ連帯保証人への督促が行われ、長期の延滞が続くと、法的措置として裁判所へ支払督促の申立てが行われ、最終的には強制執行の手続きとなる可能性があります。そして、当然ですが延滞している返済分に対しては延滞金がとられます。
■奨学金の返済が難しい・・・そんな時はどうしたらいい?
奨学金の返済が難しい時には、以下の2つの制度により返済金額の減額や猶予を設けてもらうことができます。
減額返還制度とは、災害・傷病・経済困難・失業など、さまざまな理由により返還困難な事情が生じた場合に、月々の返済額を2分の1または3分の1に減らしてもらえるというものです。減額返還適用期間分は返還期間が延びることになりますが、月々の負担が少なく済むため無理なく返済を続けることができるというわけです。
1回の届け出につき、適用期間は12ヵ月、最長15年(180ヵ月)まで延長することができます。また、経済的に困難とみなされる収入基準としては、年収325万円以下(給与所得以外の所得を含む場合は年間所得金額225万円以下)となり、被扶養者がいる場合は1人につき38万円が控除されます。
返還期限猶予とは、減額返還と同様に、返還困難な事情が生じた場合に返還期限を先延ばしにしてもらえるというものです。1年ごとに申請が必要で、適用期間は通算10年(120ヵ月)が限度となっています。ただし、返還期限猶予の場合は、申請事由によって適用期間や収入基準などの適用条件が大きく異なります。
たとえば、申請事由が経済困難の場合は、年収300万円以下(給与所得以外の所得を含む場合は、年間所得金額200万円以下)が収入基準となり、猶予期間は通算10年となります。また、申請事由が傷病の場合は、年収200万円以下(給与所得以外の所得を含む場合は、年間所得金額130万円以下)が収入基準となり、猶予期間に関しては取得年数の制限がないため、当該事由が続く限り適用されることになります。その他、海外居住や海外留学、産休・育休などの際にも、それぞれの収入要件によって申請することが可能です。
なお、2017年以降に新卒で奨学金の返済をしている場合は、「猶予年限特例又は所得連動返還型無利子奨学金の返還期限猶予」という、卒業後一定の収入を得るまでの間、一定期間の返済を猶予してもらうことができる制度もあります。
いかがでしたでしょうか?奨学金の返済が困難になり、減額返還や返還期限猶予の申請を知らずに督促を無視し続けてしまうと、連帯保証人へ迷惑をかけてしまうことになるだけではなく、最終的には裁判へ出廷しなければならない可能性もあります。そのような事態に陥らないためにも、奨学金を利用している方はしっかりと制度の内容を理解しておくようにしましょうね。
ブロードマインド株式会社
執筆者:坂本 卓也
新婚世帯や子育て世帯へ向けたマネーセミナー講師として活動。社会保障や金融商品、ニュースでよく聞く言葉など、皆さまの疑問を解決し、生活に役立てていただけるような情報を発信します。

■保有資格
・TLC(生命保険協会認定FP)
・2級FP技能士

■得意分野
資産運用、ライフプラン、保険全般、住宅ローン

■実績
マネーセミナー:年間50回以上開催
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