遺産相続でトラブルに陥らないために……正しい遺言書を準備しよう!

2016.09.28
最近、“相続対策”や“相続トラブル”など、「相続」に関する話題を取り上げるメディアや雑誌が増えてきたような気がする。わが家は昔から仲が良いから、相続で揉めることなんてないと思っているけど、親も高齢期にさしかかってきたことだし、一応頭の片隅に入れておいたほうがいいのかな……。そういえば、ドラマなんかだとよく遺言書を目にするけど、遺言書ってどんな効力があるのかな?私が知らないだけで、実はわが家にもあったりして……。
近年、増えつつある相続問題。なかには、深刻な事態にまで発展して絶縁状態に……なんてこともあるようです。今回は、そんな事態に陥らないためにも、相続でトラブルになりやすいケースと、その対策として効果的な遺言書についてお伝えします。
■3分の1は財産1,000万円以下!相続でトラブルになるケースとは?
「相続問題」というと、「一部の大金持ちの問題であって、わが家には関係ない!」そんな風に思っている方はいらっしゃいませんでしょうか?
ところが、現実は極めて身近なトラブルのようです。司法統計年報によると、平成26年度に家庭裁判所の調停や審判にもちこまれた遺産分割事件の件数は、約12,500件となっています。しかも、毎年確実にこの件数は増えており、相続でトラブルになるケースが増えていることが伺えます。なお、特筆するべき点は、全体の約3分の1ほどは、1,000万円以下の財産でトラブルになっているということです。つまり、一部の大金持ちがトラブルを起こしているわけではなく、一般庶民の方が、それほど多くない遺産を巡ってトラブルになっているということですね。
では、どのようなケースがトラブルになりやすいのでしょうか?
もともと家族構成が複雑な家庭などは、人間関係からトラブルになりやすいかと思いますが、今回は遺産の内訳から考えてみたいと思います。
遺産の内訳から考えると、ずばりトラブルが多いケースは、「持ち家」+「(それほど多くはない)現金」という組み合わせでしょう。たとえば、相続する子どもが2人、相続財産が持ち家と現金500万円だったとします。持ち家の価値が現金を大きく上回る場合、片方が持ち家、片方が現金だと両者に不公平感が出てしまいますよね。もちろん、持ち家も売却してしまい、現金化したうえで平等に分けることができれば良いのですが、親の持ち家に2世帯住宅などで片方の子どもが同居している場合などは、簡単に売却するわけはいきませんよね。このように、「持ち家」と「現金」という組み合わせは、トラブルが起こりやすいことがご理解いただけたのではないでしょうか?
では、トラブルを防ぐためにどのような対策をとれば良いのでしょうか?
その1つの選択肢が、「遺言書」です。では、次で詳しくみていきましょう。
■遺言書ってどんなもの?種類や効力とは?
遺言書には、以下の3種類があります。
1.自筆証書遺言
遺言者が内容や日付などをすべて自筆して作成した遺言書です。手軽に作れる反面、誤字やフォーマットに違反などがあった際には、法律的に無効となってしまうリスクがあります。また、第三者による不正がないことを証明するために、裁判所の検認(チェック)が必要ですし、遺言者以外が勝手に開封することは禁止されています。
2.公正証書遺言
遺言者が公証人2名の立会いのもと、口頭で遺言内容を伝えます。遺言書の原本は、公証人役場にて保管します。公証人が立会うため、改ざんや遺言書作成の不備などによる無効を心配する必要がないですし、裁判所の検認も不要です。そういう意味では、相続発生時には心強いですね。その反面、公証人2名の立会いが必要なので、作成するのに時間も費用もかかります。
3.秘密証書遺言
上記2つの間をとったような遺言書です。遺言者が自身で書いた遺言書を公証人に提示して、所定の処理をしてもらいます。公証人は遺言書の中身までは知りませんが、遺言書の存在を保証してくれます。費用は、公正証書遺言よりは安いですが、家庭裁判所で検認してもらう必要があるので発生します。また、書体のチェックなどがないので、不備による無効が発生するリスクもあります。
このように、遺言書による相続対策にも、それぞれメリット・デメリットがあります。一番大事なことは、相続前に家族で遺産分割に関して相談しておくことでしょう。なかなか普段話をしない、タブーに近いテーマだからこそ、きっちり話をしておきたいものですね。
ブロードマインド株式会社
執筆者:平原 直樹
財産形成や退職金運用といったお金の殖やし方を多くの方に伝えるべく、日本全国で年間100件を超えるセミナーを開催。最近では、高齢者の財産管理手法として、家族信託を広めるべく活動中。

■保有資格
・IFA(証券外務員一種)
・TLC(生命保険協会認定FP)
・2級FP技能士
・家族信託コーディネーター
・旅行業務取扱主任者

■得意分野
資産運用、ライフプラン、保険全般、住宅ローン、相続、家族信託

■実績
マネーセミナー:年間100回以上開催
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