年間110万円までなら税金なし!?暦年贈与で節税対策できるのか?

2015.12.02
これから両親が持っている資産をどう贈与するのか話し合いされるという方に、知っておくと良い「暦年贈与」について解説いたします。
■暦年贈与とは
暦年贈与とは、毎年その年1年間(1月1日~12月31日)に受けた贈与財産の金額に応じて贈与税を支払う仕組みを指します。
贈与税の非課税枠の110万円を意識して、非課税範囲で毎年贈与をする事が一般的です。
なお、ご両親から贈与を受ける場合、それぞれ110万円ずつの非課税があるわけではありません。ご両親からの贈与額の合計額が110万円であれば非課税ですが、110万円を超えてしまうと増税が発生します。
つまり、複数の方から贈与を受けた場合でも、非課税にしたい場合は、その合計額は110万円までに抑える必要があるということです。
関連コラム:◆特集◆『贈与税』を学ぶ!(贈与税の基礎)
■暦年贈与は贈与の目的が問われない
暦年贈与の大きなポイントは、子供や孫に生きているうちに自分の資産を移転することで、死亡時の相続財産自体を減らせることです。
例えば3,000万円財産があったとして、贈与したい子供が2人いたとします。
暦年贈与で110万円ずつ10年間贈与をすると、財産がかなり減らせることになります。
3,000万円-((110万円×10年)×2人)=800万円
※「10年の間に運用などで財産額自体が増えた」ということは無い前提です。
死亡時の相続財産を減らすことが目的であれば、教育資金の一括贈与など、他にも手段があります。

<その他の贈与手段>
教育資金の一括贈与
結婚・子育て資金の一括贈与
住宅取得等資金の一括贈与
暦年贈与のポイントは、贈与の目的が問われないことです。
贈与を受けたお金を、好きに使うことができるのは、贈与を受ける受贈者にとって大きなメリットと言えるでしょう。
■暦年贈与を受けたら確定申告は必要?
「確定申告が面倒だな」と感じた方もいるかと思いますが、贈与された金額が年間110万円以下であれば、基本的に確定申告は不要です。
■暦年贈与の注意点
確定申告も原則不要、もらったお金は自由に使えるということで、非常に良い制度に感じられる暦年贈与ですが注意点があります。
「死亡時の相続財産を少なくすることが目的で、初めから長期間贈与することが約束されていたのでないか?」と税務署から認定されてしまうことです。
この場合、贈与財産の全額に一括して贈与税の追徴課税をされてしまうことがあります。
先ほどの10年間、110万円ずつ贈与をしたという場合、110万円×10年間の1,100万円全額が贈与税対象となります。
1,100万円が贈与税対象になると、基礎控除額110万円を差し引いた990万円が課税価格となり、40%という非常に高い税率が掛かりますので、注意が必要ですね。
なお、このことを「暦年贈与」に対して、「連年贈与」と呼ぶこともあります。
どのように「連年贈与」ではなく「暦年贈与」とするのか、色々な対策があるようですが以下のような対策が一般的です。
<暦年贈与の対策方法>
・贈与をもらう側が、自分で通帳と印鑑を管理する
・毎年の振込日を変える
・贈与契約書を毎年作成する
・振込額を、毎年一定にしない。
・時には、あえて110万円を少し超える額を贈与して、少額の贈与税を払ってしまう 等
とはいえ、この辺りの解釈は税理士さんによっても異なります。
気になる方は一度税理士さんにご相談ください。
また、せっかく暦年贈与で受け取った財産も、相続時に相続財産として加算されてしまうケースがあります。
実は被相続人から相続開始前3年以内に贈与を受けた財産は、相続時の課税財産に加算されることになっています。
暦年贈与自体が110万円と非課税枠が比較的少額である点やこの3年以内の贈与財産は相続時の課税財産に加算される点を考慮すると、暦年贈与はなるべく早めに始めた方が良いですね。
相続と密接に関係する暦年贈与。
一度家族で話し合ってみることをおすすめします。
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