老後のための資金づくり。個人年金保険について学ぼう!

2019.04.29 (更新日:2019.05.07)
公的な年金だけでは老後の生活が心配と考え、個人年金を検討されている方もいらっしゃるのではないでしょうか?無理のなく楽しい老後の生活が送れるように、しっかり準備をしたいですよね。今回はファイナンシャルプランナーの坂本卓也(所属:ブロードマインド株式会社)がみなさまの疑問を解消するべく、個人年金について解説いたします。
■そもそも個人年金とは?
個人年金とは、個人が保険会社の商品を使って将来のために年金を積み立て、国民年金や厚生年金の上乗せとして将来年金を受け取れるというものです。個人年金で自分で支払う年金保険料は、すべて将来の自分の年金のために積み立てることができます。
■個人年金保険の種類はどんなものがあるの?
最近では保険会社によって、個人年金にもさまざまな種類がありますが、個人年金は三種類に大別されます。基本的には毎月(毎年)保険料を積み立てて、60歳、65歳から年金形式で受け取る仕組みですが、商品の種類によって運用先が異なります。
①円建て個人年金保険
円建て個人年金保険は最も一般的な個人年金のタイプです。保険会社が契約者から集めたお金を国債で運用します。例えば30歳女性が毎月1万円、65歳まで積み立てをすると、65歳から75歳まで10年間、毎年50万円の年金を受け取ることができるといった内容です。毎月の積立金額と積み立てる期間、そして年金をどのように受け取るかによって、将来受け取れる年金額が決まります。
②外貨建て個人年金保険
外貨建て個人年金保険は、仕組みは上記の円建て個人年金と同様です。但し、運用先が外貨を使って運用するため、円建ての個人年金よりも高い利率で運用することができます。上記同様、毎月1万円で積み立てをした場合、掛け金の1万円で毎月外貨を購入していき、将来的に積み立てられた外貨を円に変換して毎年年金を受け取ります。
また、外貨建て個人年金保険は、為替の影響を受けます。例えば、米ドル建ての個人年金の場合、1ドル=100円の時は1万円で100ドル購入、1ドル=110円の時は90.9ドル購入というように、毎月の為替レートによって購入できる外貨の金額が変わります。そのため将来受け取ることができる年金額は、積み立て終了時までに総額いくらの外貨を購入できたのかによって変わります。毎月の掛け金は円で確定されているものが多く、為替による掛け金の変動はありません。
③変額個人年金保険
変額個人年金保険は、保険会社の設定する運用先の中から自分で株式や債券などの運用先を選ぶことができます。イメージとしては確定拠出年金に近く、毎月の掛け金をそれぞれの運用先へ振り分けて、その運用成果によって積立金額が増減する仕組みとなります。同じ商品で同じ金額を運用していても、運用先の選定によって積立金額よりも大きく増える可能性もありますし、大きく減らしてしまう可能性もあります。変額個人年金保険は後ほどご説明する「年金保険料控除」を利用することはできず、「一般生命保険料控除」の対象となります。
■個人年金のメリットとは?
個人年金のメリットは、次の3つがあげられます。
①銀行預金よりも高い金利で積み立てができる
銀行金利は今や0.001%。仮に毎月1万円を30年間積み立てたとしても、金利で得られる収益は539円にしかなりません。一方で個人年金は、保険会社を通して長期国債で運用されており、昔に比べれば運用効果は下がりましたが、現在でもプラス数十万円の運用効果があるため、長期の安定した積立方法として選択肢の一つといえます。
②老後資金を確実に貯められる
個人年金は毎月もしくは年1回自動的に口座やクレジットカードから引き落とされるため、確実に積み立てることができます。また、銀行預金はいつでも簡単に引き出すことができますが、個人年金で貯めたお金を途中で引き出すためには保険会社へ解約の申請をしなければならなく、また積み立て途中で解約をすると元本割れしてしまうリスクがあります。そのため、途中で引き出すことが難しく強制的に老後資金を積み立てることができます。
③個人年金保険料控除により所得控除を受けられる
個人年金保険で積み立てる保険料は、生命保険料控除の一枠である「個人年金保険料控除」の対象となります。個人年金の年間支払保険料が8万円を超える場合は、課税所得から4万円控除することができます。仮に課税所得330万~695万円の方であれば、4万円の所得控除により、所得税(8,000円)+住民税(2,800円)=約10,800円の節減効果が受けられます。毎月1万円ずつ個人年金で積み立てる場合、年額12万円に対して所得控除による還付金を10,800円受けられるため、個人年金により単利で9%の運用効果が生まれます。年収が高ければ税率も高く、その分控除の金額も大きくとることができるため、確定拠出年金などと並行して利用しても良いでしょう。
※個人年金保険料控除の対象となる契約は、①年金受取人=被保険者、②保険料払込期間10年以上、③年金支払開始期間60歳以上 などの条件を満たす必要があります。
■個人年金のデメリットとは?
個人年金のデメリットは、次の3つがあげられます。
①死亡保障がつかない
終身保険や養老保険などの個人年金以外の積立型の保険と比べた時に、個人年金には死亡保障がつかないというデメリットがあります。積み立ての途中で被保険者に万一があった場合、終身保険や養老保険であれば、数百万、数千万という大きな死亡保障を取ることができますが、個人年金はこれまで積み立てた分が遺族に還付されるだけです。そのため死亡保障も必要だけれど老後の貯蓄も必要という方は年金保険よりも終身保険や養老保険をまず検討し、死亡保障が必要ない方や、すでに終身保険などに加入している方が追加で積み立てを検討される場合に個人年金を検討するとよいでしょう。
②インフレに弱い
個人年金は契約時に将来受け取る年金額が確定されます。確実に決まった金額を受け取ることができるのはメリットの一つでありますが、将来物価が上昇する(インフレになる)と、お金の実質的な価値が下がってしまいます。公的年金は物価が上昇すると受取金額も増えますが、個人年金ではそうした調整がありません。物価上昇に対処するためには、個人年金だけでなく、確定拠出年金やつみたてNISA、変額個人年金なども検討する必要があります。
いかがでしたでしょうか?年金保険には様々な種類があり、受け取り方や契約形態など、様々なことを考えて検討する必要があります。確定拠出年金やつみたてNISAなどの他の金融商品も含めてバランスよく検討するために、ぜひSodanの対面相談もご利用ください。ファイナンシャルプランナー(FP)が無料でアドバイスをさせていただきます。
ブロードマインド株式会社
執筆者:坂本 卓也
新婚世帯や子育て世帯へ向けたマネーセミナー講師として活動。社会保障や金融商品、ニュースでよく聞く言葉など、皆さまの疑問を解決し、生活に役立てていただけるような情報を発信します。

■保有資格
・TLC(生命保険協会認定FP)
・2級FP技能士

■得意分野
資産運用、ライフプラン、保険全般、住宅ローン

■実績
マネーセミナー:年間50回以上開催