公的年金制度の仕組みを理解して将来の年金受給額を知ろう!

2019.04.12 (更新日:2019.04.12)
先行き不安なこのご時世、20~30代と比較的若い世代の方のなかにも老後の心配をされる方が多くいらっしゃいます。特に年金に関しては不安を抱えている方が多いようで、ファイナンシャルプランナーとしてご相談いただく際に「将来、いくら年金をもらえるのか?」というご質問をいただく機会も少なくありません。今回は、ファイナンシャルプランナーの平原直樹(所属:ブロードマインド株式会社)がみなさまの不安を解消するべく、日本の公的年金制度について解説いたします。
■日本の公的年金制度。仕組みはどうなっているの?
日本国内に居住している20歳以上60歳未満の方々は、原則として国民年金に加入することが義務づけられています。そして、毎月の国民年金保険料を支払い、年金受給資格期間を満たすことで65歳から老齢基礎年金を受け取ることができます。
年金受給資格期間に関して、かつては25年でしたが2017年8月より10年に短縮されました。つまり、年金保険料を10年以上納めれば年金を受け取ることができるというわけですね。ただし、40年間きっちり納めた方と10年しか納めていない方とでは、受給できる年金額が異なりますのでご注意ください。また、65歳よりも前に受給を希望される方は、60歳から65歳になるまでの間であっても繰り上げて受給することが可能ですが、繰り上げた期間に応じて減額されることをお忘れなく。
では、年金保険料を支払った期間が同じであれば、受け取れる年金額は同じなのでしょうか?
答えは、NO。というのも、現在の就業状況次第で年金の支払い方法が異なるためです。では、次で詳しくみていきましょう。
■被保険者の種類別にみる年金受給額とは?
公的年金制度においては、就業状況によって年金の加入者=被保険者を以下3種類にわけています。そして、ご自身がどこに属するかによって年金の支払方法ならびに受給額が異なります。
1.第一号被保険者
まず、第一号被保険者に関してです。こちらは主に自営業の方が対象となり(20歳以上の学生や失業者もこちらに該当します)、ご自身で保険料を納付する必要があります。気になる保険料に関してですが、第一号被保険者であれば年収や年齢などに関わらず保険料は一律です。平成31年3月時点における国民年金保険料は16,340円/月となっております。また、全期間保険料を納付した人がもらえる年金額は779,300円/年となっております。
ただし、この保険料は定期的に見直しをされています。たとえば、10年前の平成21年3月時点で確認してみると14,410円/月でしたので、支払い月額が上がっていることがわかります。そのため、今後も16,340円/月より上がる可能性は十分あるといえます。
さて、自分自身で支払わなければいけないという特性上、第一号被保険者のなかには未納期間がある方も珍しくありません。前述でもお伝えしましたが、年金受給資格期間が10年に短縮されたとはいえ、未納期間分だけ将来受け取る年金額が減額されてしまいますので注意が必要です。
なかには、「年金は支払うだけ無駄」とお考えの方もいらっしゃいますが、個人的にはそんなことはないと思っております。というのも、仮に現在の保険料のまま40年間支払ったとすると、トータルで16,340円×12ヵ月×40年=7,843,200円支払うことになります。それに引き換え、毎年779,300円を受け取ることができるのであれば、ほぼ10年で回収できますよね。つまり、65歳から受給を開始したとすると75歳を過ぎれば良いということになります。公的年金は生きている限りずっと受け取ることが可能ですので、現在の平均寿命などを考慮すると、損にはなりにくい制度といえるのではないでしょうか。
2.第二号被保険者
次に、第二号保険者についてです。こちらは、主に会社員や公務員の方が該当します。第二号被保険者の場合は給与天引きで、国民年金保険料を含めた形で厚生年金保険料として支払うことになります。そのため、原則として未納という概念がありません。
さて、会社員や公務員の方は、「国民年金」と「厚生年金」2つの保険料を支払っていることになります。結果、受け取り時は国民年金だけでなく、働いていた期間分の厚生年金も受け取ることができます。こうしたことから、2階建ての年金制度ともいわれています。ちなみに公務員の方は、2015年10月までは厚生年金とは異なる共済年金という制度を採用していましたが、現在では公務員の方も厚生年金に一元化されました。
なお、厚生年金は「報酬比例」という制度を採用しています。どういう制度かというと、現役時代は所得が高い人ほど高い保険料を支払うかわりに、老後は高い保険料を支払った人ほど老齢年金を多くもらえるようになるということです。つまり、現役時代の稼ぎに応じて、支払う保険料も受け取る年金額も異なるということですね。
3.第三号被保険者
最後に、第三号被保険者について確認してみましょう。こちらは、第二号被保険者(会社員や公務員)の扶養に入っている方が該当します。一般的には「会社員の妻」と表現され、主に専業主婦の方を指すことが多いといえます(男性が専業主夫として第三号被保険者になることも可能です)。
ただし、専業主婦の方の場合、ご主人の働き方によっては第三号被保険者に該当しないケースもあります。どういうことかというと、第二号被保険者である会社員(公務員)の妻なのか、第一号被保険者である自営業者の妻なのかで異なるということです。前者の場合は第三号被保険者ですが、後者の場合は専業主婦であっても第一号被保険者扱いとなるため、ご自身で国民年金保険料を納付する必要があるというわけです。そのため、元々は会社員として働いていたご主人が、後々に独立して個人事業主になった場合などは注意が必要ですね。
さて、第三被保険者の場合は「扶養」という考え方になるので、第三号被保険者の期間中は保険料を納める必要がありません。なお、受け取れる年金額は第一号被保険者と同じで国民年金のみとなります。ただし、結婚を機に専業主婦になった方などの場合、かつて働いていた期間に納めた厚生年金分に関してはプラスで年金を受け取ることができます。
いかがでしたでしょうか?一口に公的年金といっても、納付期間や就業状況によって将来受け取れる年金額は異なるということがわかりました。次回は、データからみる日本の年金事情について解説いたします。世間ではどれくらいの方が年金に加入しているのか、いくらくらい年金をもらっているのかなど、気になる方は併せてご覧になってみてくださいね。
ブロードマインド株式会社
執筆者:平原 直樹
財産形成や退職金運用といったお金の殖やし方を多くの方に伝えるべく、日本全国で年間100件を超えるセミナーを開催。最近では、高齢者の財産管理手法として、家族信託を広めるべく活動中。

■保有資格
・IFA(証券外務員一種)
・TLC(生命保険協会認定FP)
・2級FP技能士
・家族信託コーディネーター
・旅行業務取扱主任者

■得意分野
資産運用、ライフプラン、保険全般、住宅ローン、相続、家族信託

■実績
マネーセミナー:年間100回以上開催
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