遺産相続で数千万円入ったら・・・活用方法の一例をみてみよう

2018.10.19
ご両親からの相続で数千万円単位のお金が手に入ることになり、どのように活用すれば良いのか悩まれている方もいらっしゃるのではないでしょうか?実際に、ファンナンシャルプランナー(以下FP)としてよく受ける相談の一つです。今回は、FPの平原直樹(所属:ブロードマインド株式会社)がご家庭の置かれている状況ごとに、活用方法の一例を挙げてみたいと思います。もちろん活用方法に正解はありませんが、ぜひ参考にしてみてくださいね。
■ケース1:小さいお子様がいらっしゃる場合
まずは、ご家庭に小さいお子様がいらっしゃる場合です。一般的に、まだご両親が比較的若い年齢での相続と言えるでしょう。今回は、以下のご家庭を元にみていきたいと思います。なお、記載されている続柄は、相続人である35歳の娘(本人)からみた関係となっています。
●被相続人:父(65歳)
●相続人:母(62歳)、本人(35歳)
●本人の家族構成:夫(36歳)、息子(2歳)
●その他:賃貸暮らし、第二子を検討中
この場合、お母様はご存命なので、仮にご自宅はお母様が相続し、娘である本人は数千万円単位の金銭を相続したとします。さて、この相続財産をどのように活用すれば良いのかを考えてみたいと思います。
たとえば、現在は賃貸暮らしということであれば、住宅購入費用に回すというのも一つの選択肢といえます。相続したお金を頭金に回せば、世帯収入と比較して高額物件を購入できる可能性があります。しかし、その物件を維持していくことができるのか?はよく考える必要があります。仮に高額なマンションを購入したとすると、その分管理費や修繕費も高くなるのが一般的です。また、近所の方との生活レベルがあまりに違うと、今後の近所付き合いも大変そうですよね・・・。このように住宅購入費用に回す場合は、本来の世帯収入と比較して、高額すぎる物件を選んでしまわないよう注意が必要です。
では、どのように活用するのが良いのでしょうか?
やはり、小さいお子様がいるということであれば、お子様の教育費として残していくのが良いかと思います。この場合、ただ銀行の普通預金や定期預金に入れるのではなく、比較的変動が少ない債券や保険などで運用することを意識してみてくださいね。
また、お母様の先々のことも考えておく必要があります。現在はまだ元気だったとしても、これからご実家で一人で暮らすことになるお母様の今後を見据えて、将来介護が必要になった時のための費用なども残しておくと良いでしょう。
■ケース2:すでに子育てが終わっている場合
次に、すでに子育てが終わっている場合を考えてみたいと思います。
●被相続人:母(85歳) ※父はすでに他界
●相続人:本人(57歳)、弟(55歳)
お父様はすでに他界しているということもあり、ご兄弟で相続財産を分け合うケースですね。相続人たちの年齢から考えると、お子様たちも独立しているか、もうすぐ独立する年代であることがわかります。
なお、相続人たちの家族構成は以下とします。
●本人(57歳)の家族構成:夫(60歳)、長女(29歳/主婦/別居)、長男(26歳/社会人/別居)
●その他:持ち家
 
●弟(55歳)の家族構成:弟の妻(50歳)、長男(24歳/社会人/同居)、長女(21歳/大学生/同居)
●その他:持ち家
では、このようなケースの場合はどのように活用すれば良いのでしょうか?
まず、本人のご家庭はお子様が2人とも独立しているので、お子様の教育費に回す必要性はありません。一方、弟のご家庭はまだ大学に通うお子様がいますが、年齢的に卒業間近ということもあり、こちらも教育費の目途が立っている状況と言えそうです。
また、どちらもすでに持ち家であることを考えると、住宅購入資金に回すという選択肢もなさそうですね。むしろ、ご両親ともに他界していることを考えると、今回のケースはいわば「代替わり」の相続といえます。一般的に、相続財産にはご自宅(実家)が含まれますが、どちらもすでに持ち家のため、はじめにご自宅(実家)を処分し現金化したうえでどのように活用すべきか考える必要があります。
なお、当然ですが、ご両親の介護費用についても考える必要はありません。よって、基本的にはご自身たちの老後資金として考えると良いでしょう。とはいえ、ご両親から見るとかわいい孫にあたる、ご自身たちのお子様にもお金を残してあげることをお忘れなく。というのも、すでに独立しているとはいえ、これから結婚や出産、住宅購入など大きなライフイベントを控えているからです。その際には、「おばあちゃん(被相続人)からだよ」と一言添えてあげると、お亡くなりになったご両親にも喜んでもらえるのではないでしょうか。
その他、ご自身たちもご両親と同じように、将来的に子や孫など下の世代にお金を残してあげたいのであれば、一時払いの生命保険に加入するのも良いかと思います。その際は、必ず一生涯保障してくれる終身保険に加入するようにしましょう。50代であれば、保障額(死亡保険金額)が支払い額の倍近くになる商品もあるので、遺産の半分をそういった保険に入れることで、残った半分のお金はご自身たちの老後資金に使いながら、ご両親から受け継いだ遺産をお子さまたちへ残すことができるというわけです。
このように、一口に親からの遺産と言っても、ご自身の置かれている状況や考え方によってどのように活用するべきかが変わってきます。自分たちの場合はどうするべきか?が気になる方は、ぜひこの機会にファイナンシャルプランナーに相談してみてはいかがでしょうか。
ブロードマインド株式会社
執筆者:平原 直樹
財産形成や退職金運用といったお金の殖やし方を多くの方に伝えるべく、日本全国で年間100件を超えるセミナーを開催。最近では、高齢者の財産管理手法として、家族信託を広めるべく活動中。

■保有資格
・IFA(証券外務員一種)
・TLC(生命保険協会認定FP)
・2級FP技能士
・家族信託コーディネーター
・旅行業務取扱主任者

■得意分野
資産運用、ライフプラン、保険全般、住宅ローン、相続、家族信託

■実績
マネーセミナー:年間100回以上開催
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