地震保険料控除申告書が届いたら、今一度制度を確認しよう

2015.11.20 882view
早いもので今年も残すところあとわずかとなりました。10月に入ると、生命保険会社から「生命保険料控除証明書」、損害保険会社から「地震保険料控除証明書」が自宅に届き、年末調整の際の必要書類として会社に提出することになります。先日は「生命保険料控除証明書」について解説しました。
年末調整とは、1年間の給与総額からその年に納めるべき税額を正しく計算し、それまで徴収した税額との過不足額を求め、精算する手続きです。
ではなぜ、年末調整の為に「地震保険料控除証明書」の提出が必要となるのでしょうか。
■地震保険料控除の仕組みとは
地震保険料控除とは1年間に支払った地震保険料の総額に応じて、所得税や住民税の負担が軽減される制度です。
対象となるのは居住用の住宅や家財の損害を目的とした保険になります。
それでは次の実例を用いて地震保険料控除を算出してみましょう。
<Aさんが加入している保険の種類>
保険の種類支払い保険料(年)
B社 地震保険60,000円
支払った地震保険料の総額が「地震保険料控除」の金額となります。
※ただし、地震保険料控除の上限は、所得税は50,000円までになります。
算出の結果、地震保険料控除は50,000円(上限)になります。
■地震保険料控除でいくら戻ってくる?
地震保険料控除を算出しましたが、これはあくまでも「控除額」ですので、実際の軽減額は異なります。では、実際にどの程度、所得税・住民税が軽減されるのでしょうか。
そこで本題に入る前に、所得税・住民税はどのような流れを経て算出されるか説明します。
<STEP1>
給与所得の算出
(給与収入-給与所得控除額=給与所得)
<STEP2>
課税所得の算出
(給与所得-所得控除額=課税所得)
<STEP3>
所得税・住民税の算出
(課税所得×所得税・住民税の税率=所得税・住民税)

*図をクリックすると拡大します
所得税率:課税所得によって異なります(課税所得が多ければ多いほど税率が上昇)
住民税率:一律10%
このような流れで所得税・住民税が算出されます。
では、先ほど出した地震保険料控除50,000円を適用する場合としない場合の所得税・住民税がどの程度、軽減されるのか実例を用いて計算してみましょう。
Aさん (年収600万円:独身)
 控除適用前控除適用後
給与収入6,000,000円6,000,000円
給与所得4,260,000円4,260,000円
 -)所得控除額1,213,940円1,263,940円
課税所得3,046,060円2,996,060円
所得税・住民税 519,100円511,600円
差額▲7,500円
地震保険料控除を適用することで、年間の所得税・住民税が7,500円安くなります。
■「地震保険料控除証明書」をなくしてしまったら?
保険会社に連絡すれば、再発行してもらえます。但し、会社が指定する提出期限に間に合わなかった場合は、ご自身で確定申告をすることになります。
■控除を受けるうえで、注意しなければならない契約方法はある?
控除を受けるうえで、注意しなければならない契約形態は以下のとおりです。

『自己や自己と生計を一にする配偶者その他の親族の所有する居住用家屋又は生活に通常必要な家具、じゅう器、衣服などの生活用動産が保険の対象となっていること』
まずは、ご自身の住宅が地震保険に加入しているかどうかをチェックしてみてください。
控除を受けれるものは最大限活用し、しっかり申請していきましょう。
ブロードマインド株式会社
社会保険労務士の資格をもつ一児のパパ。
お金に係る国の制度など難しい分野についてもわかりやすく解説します。