住宅を売却するための基礎知識

2015.10.22 858view
田舎に住む両親が残してくれた住宅。今さら地方に戻ることは考えづらいし、持ち続けていても固定資産税だけ払うことになって管理も大変・・・自分自身も幼少期を過ごした愛着のある実家ではあるけれど売却しようかな、とお考えの方に。
売却の進め方や発生する費用等、基礎知識について解説します。
■売却までの基本的な流れ
売却することを決めて最初にするべきことは「物件を買ってくれる人を探す」ことです。
親族が買い取ってくれるなど自分で探して買い手が見つかった場合、不動産業者を利用しなくても売却手続きができることをご存知でしょうか。
業者を通さず、自身で売却処理をすることで、仲介手数料【売却価格×3%+60,000円】を節約することができます。
また意外な部分では、個人が居住用不動産を売却する場合に消費税がかからないため節税することもできます。
とはいえ、なかなか個人で売却先を探すのは難しいですよね。
そんな場合は、不動産業者を利用し、複数の不動産業者に、物件の価格査定をしてもらうとよいでしょう。
また事前に自身でも相場観を把握しておくことも重要です。
国土交通省が不動産購入者へ実施しているアンケートから各地の取引価格を定期的に公表しています。
土地の広さや最寄り駅からの距離なども記載されているので、相場調べに役立つことでしょう。

不動産業者との契約にあたって、3種類の契約があります。
1)専属専任媒介契約
特定の不動産業者のみに仲介を依頼する(他の不動産業者への依頼、自分自身で購入希望者を見つけることはできません)
2)専任媒介契約
特定の不動産業者のみに仲介を依頼する(他の不動産業者への依頼はできない)
※自分自身で購入希望者を見つけることは可能です
3)一般媒介契約
複数の不動産業者に仲介の依頼をする事ができます。
※自分自身で購入希望者を見つけることも可能です
内容を簡単に図にすると以下の様になります。
 専属専任媒介契約専任媒介契約一般媒介契約
複数業者への依頼××
複数業者への依頼×
依頼主への報告義務1週間に1度2週間に1度なし
不動産業者の立場になってみれば、専属専任媒介契約と一般媒介契約のどちらが「やる気」になるでしょうか?
当然、専属専任媒介契約を締結した方がやる気になりますよね。
「なかなか自身で売却先を探すのは難しいな・・・」という場合は、専属専任媒介契約にしてしまうほうが良いかもしれません。
1社だけに任せて本当に売却先を見つけられるのかな?と心配になりますが、
専属専任媒介契約や専任媒介契約を結んだ不動産業者は、指定流通機構という不動産情報ネットワークに当該物件を登録することが義務付けられています。
これによって不動産業者のネットワークに物件が載るため安心です。
■売却時にかかる費用
不動産を売却する場合、どのような費用がかかるのでしょうか。
<仲介手数料>
不動産業者を利用する場合は、前述の通り仲介手数料がかかります。
手数料は【売却価格×3%+60,000円】となります。
例)2,000万円の物件だった場合、2,000万円×3%+60,000円=660,000円
※物件価格が400万円を下回る場合、上記の式と異なります。
<印紙代>
不動産売買をする際には、不動産売買契約書を作成します。
売買契約書に収入印紙を貼り付けすることで、印紙税を支払う必要があります。
この契約書に記載される金額に応じて印紙税額が異なってきます。
売買にてメインになる取引(物件)価格=1,000万円~1億円で、15,000~45,000円程度の税額です。
売主と買主とで費用折半するのが一般的です。
<抵当権の抹消>
売却予定の物件に抵当権(※)がされている場合は、買主に引き渡しをするまでに抹消しておく必要があります。
※担保(住宅)を差し押さえらえれる権利です。通常ローンを組む場合、銀行に抵当権が設定されます。
ここで注意が必要なのは、物件を担保にして住宅ローンを組んだ場合、ローンを払い終わっても法務局で抵当権の抹消登記を申請しないと抵当権が残ったままの状態になっています。
これを怠って売却をすると後で買主から損害賠償を受けたり、契約解除を要求される可能性もありますので抵当権の抹消を忘れないようにしましょう。
<売却時にかかる税金>
実際に物件が売却できた場合、売却益に対して所得税と住民税が掛かってきます。
「当該不動産の買値(取得費)」-「当該不動産の売値」で利益が出た場合、税金が掛かってきますが、「当該不動産の買値(取得費)」がいくらなのか?を確認する必要があります。
ご自宅に(当時の)売買契約書があればそちらの金額を利用することになりますが、売買契約書が見つからない場合は問題です。
どうしても見つからない場合、売却金額の5%として扱われます。
例えば3,000万円で売却したとすると、150万円が取得費となり、2,850万円の利益が出たとみなして課税されるイメージです。
売買契約書がみつからない場合は、「多額の利益が出た」と判断されてしまうので注意が必要です。
なお、不動産を相続した際に相続税を支払った場合、相続から3年以内に当該不動産を売却した場合、相続税で支払った金額の一定額を取得費に加算できる制度もあります。
課税される税率は、売却した年の1月1日において、所有期間が5年を超えるか否かで税率が変わります。
所有期間は、不動産を取得してからの期間となります。
・所有期間が5年以下の場合(短期譲渡所得)⇒20%(所得税15%+住民税5%)
・所有期間が5年を超える場合(長期譲渡所得)⇒39%(所得税30%+住民税9%)
上記の様に所有期間次第で税率が大きく変わってきますが、所有期間はどのように考えればよいでしょうか。
ご両親が購入したご実家であれば、ご両親が取得をした日から所有期間として計算します。そのため長期譲渡所得扱いになることが多いかと思います。
愛着のあるご実家。
トラブルなく売却できると良いですね!
ブロードマインド株式会社
第一種証券外務員を保有するお金のプロ!
難しいお金の話を分かりやすく解説します。
  • この記事が参考になったら
    いいね! してね
まわりにもシェアしよう!