妊娠を機に退職しようと思うけど、いつ辞めるのがおトク?

2015.09.25 19736view
妊娠を機に退職を検討している場合に、気になるのは金銭面。今回は妊娠後、すぐに退職した場合にもらえる給付金額と、産休・育休期間に入ってから会社を退職した時にもらえる給付金額に、どれくらい差があるのかについて解説します。
■すぐに退職した場合にもらえるお金
【出産手当金】

出産手当金とは、産前産後休業期間中(出産前6週間、出産後8週間)に会社を休んだ場合に受給することができる手当のことです。また、以下のいずれにも該当した場合は、例外措置として退職した場合でも受給することができます。
1.退職日まで継続して1年以上健康保険に加入していたこと
2.退職時に出産手当金を受けていること
2.は在職中に産前産後休業を取得し、かつ、出産手当金を受給している方となります。
たとえば、6/1~9/15が産前産後休暇期間の場合、8/15に退職したとしても、継続して出産手当金をもらえるという意味です。
【出産手当金の給付金額】

出産手当金の金額は、給与の約66%相当が支給されます。たとえば、月給が30万円(額面)の方であれば、その休んだ期間は月給の約66%にあたる20万円が支給されることになります。
なお、在職時の出産手当金は退職した場合と異なり、健康保険に加入した期間は問いません。
【雇用保険からの失業手当】

妊娠や出産が原因で退職する場合は、ただちに失業手当を受給することができません。なぜなら、失業手当は「就職先が見つかりさえすれば、すぐにでも働ける状態であるにも関わらず、なかなか就職できない人」が受給条件となるためです。ただし、妊娠・出産後に子育てが一段落し、その後就職活動を行い、新たな就職先が見つかるまでの間、失業保険を受給するができる可能性があります。詳細は、最寄りのハローワークまでお問い合わせ下さい。
【失業保険の給付金額】

仮に、失業保険の受給対象となった際の給付金額は、退職時の直近6ヶ月間の平均月収に応じて決定します。たとえば、平均月収が30万円の場合は、月額約16万円程度となります。
■産休・育児休暇に入ってから退職した場合にもらえるお金
【育児休業給付金(雇用保険)】

育児休業給付金を受給できる対象者は、雇用保険に1年以上加入していることが要件になります。また、育児休業給付金を受給できる期間は、産前産後休業期間が終了した翌日(産後8週間経過後の翌日)からお子さんが1歳になるまでの間(保育所が見つからない場合などやむを得ない場合は1歳半になるまでの間)、会社を休んだ期間支給されます。ちなみに、退職してしまった場合は受給することができません。
【育児休業給付金(雇用保険)の給付金額】

1か月当たり、給与の約66%が支給されます。ただし、育児休業の開始から6か月経過後は約50%になります。たとえば、月給が30万円(額面)の方の場合、育児休業開始から6ヶ月間は約20万円が育児休業開始後6か月経過後は約15万円がそれぞれ支給されます。
■休業期間中に出ていくお金(社会保険料等)
以前は、産前産後休業期間中は社会保険料(健康・厚生・介護)がかかり、かなりの負担がのしかかりましたが、平成26年度に法改正があり、育児休業期間中と同様に産前産後休業期間中についても社会保険料が免除となりました。そのため、産前産後休業および育児休業期間中に出て行くお金は、原則住民税のみとなり、従来と比べ家計への負担はかなり軽減されるようになりました。
■お金以外のその他で考慮すべきこと
これまで解説した各給付金(出産手当金・育児休業給付金)とは別に、そもそも育児休業を取ることができる条件は法律で決まっており、以下の全てを満たす必要があります。
・1年以上勤務していること
・週3日以上勤務していること
言い換えれば、雇用形態に関わらずアルバイトの方でも、上記要件にさえ該当すれば育児休業を取得することができるということです。
※産前産後休業期間については、特に用件は定められていません。
また、会社によってはお子さまが3歳になるまで、もしくは小学校に入学する前まで育児休業を取得することができるケースもありますので、会社の人事担当者へ事前に確認をすることをお勧めします。
■結果、産休・育児休暇に入ってから会社を退職した場合がおトク!
出産手当金は、在職もしくは退職した場合も受給することができますが、育児休業給付金は退職した場合には受給することができません。その点、在職した場合がおトクです。
また、退職後に環境や状況が変わり、再び就職活動をする場合はかなりの負担がかかるので、上手に会社の休業制度を利用して、可能な限り働き続けることをお勧めします。
ブロードマインド株式会社
社会保険労務士の資格をもつ一児のパパ。
お金に係る国の制度など難しい分野についてもわかりやすく解説します。