急に訪れる親の介護。今から始める老後の備えとは

2015.06.17 4153view
親の介護。両親と離れて暮らしている方も一緒に暮らしている方も、「今は元気だから心配なさそうだけど、いずれは……」と、気になってる方も多いのではないでしょうか。最近は、「介護うつ」といった言葉も耳にします。2015年4月1日、介護に関わる制度変更が厚生労働省から発表されました。今回は、その内容と介護における備えについてご紹介したいと思います。
■介護制度の変更点
【特別養護老人ホームの新規入所者を、原則、要介護3以上に重点化(既入所者は除く)】

みなさんは、「特別養護老人ホーム」という言葉を聞いたことがありますか?省略して「特養」とも呼ばれる施設ですが、社会福祉法人や地方自治体などにより運営される公的な介護施設のことです。最大の特徴は、寝たきり状態など、介護を必要とする重度の要介護者が、少ない費用負担で長期入所できる点です。経済的負担の面からも入所希望者が多く、平均在所日数が約4年と長いため、都市部では満室の施設がほとんどです。2012年度の発表では、全国で40万人以上が待機しており、入所まで通常数か月から10年程度の期間を要するともいわれています。

これまでは、入所対象者は「要介護度1以上の65歳以上の高齢者」というのが基本原則だったのですが、このハードルが「要介護度1から3」に大幅にUPしました。詳しくは、以下の表をご覧ください。「入浴や排せつ、衣服の着脱などに全面的な手助けが必要」という状態でないと、「そもそも申請しても入れない」ようになりました。

[要介護状態区分]心身の状態(例)
------------------------------------------------------------------------------------
要支援1    日常生活はできるが、身の回りの世話に一部介助が必要
------------------------------------------------------------------------------------
要支援2    日常生活はできるが、身の回りの世話に一部介助が必要
------------------------------------------------------------------------------------
要介護1    歩行、立ち上がりなどが不安定。入浴や排せつなどに一部手助けが必要
------------------------------------------------------------------------------------
要介護2    歩行、立ち上がりなどがひとりではできない。入浴や排せつに手助けが必要
------------------------------------------------------------------------------------
要介護3    入浴や排せつ、衣服の着脱などに全面的な手助けが必要
------------------------------------------------------------------------------------
要介護4    食事や入浴、排せつ、衣服の着脱など日常生活に前面的な手助けが必要
------------------------------------------------------------------------------------
要介護5    意思を伝えることが困難で、全面的な手助けが必要
------------------------------------------------------------------------------------

では、要介護度1~2の方で、介護できる身内が近くにいない場合はどうすれば良いでしょうか?

1.ご自宅で介護サービスを受ける
2.民間の介護施設に入る


1.は慣れ親しんだご自宅で、「訪問介護サービス」などの提供を受けるケースです。「自宅に居ながら」受けられるサービスなので、環境が変わらず本人も安心ですが、サービス費用に対する自己負担と、バリアフリー工事などご自宅の改装費用が必要になります。2.は最近広告などでも良く見かける、「介護付き老人ホーム」を始めとする有料施設(住宅)を利用するケースです。こちらは、24時間体制での介護ケアなどメリットも多いのですが、やはり入居費用や月額の利用料がかかります。65歳以上の被保険者数の約6.2人に1人は、要支援・要介護認定者。生涯を通した場合、2人に1人は介護給付の対象となる可能性があるといわれています。病気や入院に対する備えと同様に、「介護」についてもしっかり備えておきたいですね。
■親の介護。今からできる備えとは
親の介護が心配な場合、まずは親子でしっかりと話し合うことが大切です。一般的な日本人家庭は、現役世代よりも、退職し子育ても終わっている世代のほうが家計にゆとりがあります。親も「子どもに迷惑はかけたくない」と思っている方が多いので、介護付き老人ホームの入居金や、自宅のバリアフリー工事資金をしっかりと準備しているかもしれません。子育て現役世代が教育費や自分の老後資金を貯めながら、さらに親の介護に必要な準備をするというのは、簡単なことではありません。日本人はお金の話をタブー視しがちですが、実際に介護となると世代をまたがる一大事です。きちんと家族で向き合って、もし親から「自分たちの貯蓄だけでは心配……」と打ち明けられたら、そこから親や兄弟を交えてきちんと話し合いましょう。高齢のご両親の場合、みなさんがフォローし、安心させてあげることも大切です。
■自分自身の老後の備え
次に、みなさん自身の備えを考えましょう。ご存知の通り、日本は少子高齢化が世界最速で進行しており、介護給付は人数も総額もうなぎ上りです。国による公的介護保険制度は、医療保険制度と同様に保険料を上げて、受け取り金額を下げないと制度を維持することが難しい状況です。ただし、老後の備えのために「今の楽しみ」を犠牲にしては本末転倒です。一度、ご自身のライフプランを作り、それを実現するためのマネープランを立ててみることをおすすめします。老後に対する漠然とした不安でモヤモヤするよりも、万が一不足していても「あと、月々いくら貯めれば大丈夫!」と足りない金額がハッキリしていたほうが貯め甲斐があると思います。

介護する方、介護される方、どちらも毎日が明るく過ごせるように、できることから準備して乗り越えていきたいですね。
ブロードマインド株式会社
第一種証券外務員を保有するお金のプロ!
難しいお金の話を分かりやすく解説します。
  • この記事が参考になったら
    いいね! してね
まわりにもシェアしよう!