退職金が無い。自営業の老後はどう備えたらいいの?

2016.03.01 32703view
夫は自営業。今は定期的な収入があるからそんなに苦労はしていないけど、将来退職金が無いことや年金の金額を考えると老後が不安……住宅ローンも抱えているし、完済できるのかしら……?といった心配をされている方のお話をよく耳にします。
そこで今回は、退職金がない自営業の方の、老後に有効なお金の備え方について解説したいと思います。
■自営業者の老後は金銭面で不安・・・
自営業者には、退職金制度がありません。国民年金のみが給付される自営業者は、厚生年金がもらえる会社員と比較すると、年金額も少なくなっています。定年という制度が存在しない分、生涯現役でいることも可能ですが、いつまでも元気でいられる保証はありません。老後の備えはしっかりやっておきたいものです。
■退職金がない自営業者の老後の対策
自営業者の老後の対策には、どんなものがあるでしょうか。

【国民年金をしっかり納める】

年金不信から、国民年金を納付していない人も少なくありませんが、老齢年金は生きている限り一生涯受給することができます。
たとえば、平成27年の国民年金保険料月額(15,590円)を40年支払ったとします。支払総額(7,483,200円)に対し、65歳からの支給年額は780,100円です。10年で支払総額を給付額が上回ります。
上記の計算はすべて平成27年度の数値で計算しており、実際にご自身が受け取る際には金額が変わっていることが予想されますが、男性の平均寿命が80歳、女性が86歳といわれる長寿社会において、年金は老後の長生きリスクをカバーするのには最適な商品といえるでしょう。


【小規模共済に加入する】

小規模共済とは、自営業者などの将来のための積立制度です。自営業者などのための退職金制度と置き換えるとわかりやすいかもしれません。かけ金は、毎月1,000円~70,000円までの間で選ぶことができ、全額所得控除となります。つまり、確定申告のタイミングで、収入から年間最大70,000円×12カ月=840,000円を引くことができます。
積立をした資金は、事業資金として貸し付けを受けることもできます。また、将来の受け取り時には、退職所得扱いとすることが可能です。退職所得を利用すると、勤続年数に応じた以下のような大きな控除が利用できます。
勤続年数(=A)退職所得控除額
20年以下40万円×A
(80万円に満たない場合には、80万円)
20年超800万円+70万円×(A-20年)
たとえば、事業期間が20歳から65歳まで45年間あったとすると、800万円+(70万円×25万円)=2,550万円が控除額となります。つまり、2,550万円までの金額であれば、非課税で受け取ることができます。
さらに、その上限額を超えた場合は、控除額の2分の1が課税対象額となります。たとえば、上記の45年間自営業を実施していて、将来受けとる共済金が3,000万円だった場合、退職金3,000万円から退職控除の2,550万円を引くと450万円となります。ここからさらに2分の1となり、課税対象額は225万円となります。
この225万円と当該年度の給与とを合算して、実際の税額を計算します。上記の通り、税額が225万円になるわけではなく、225万円に対して税金がかかるという点が重要です。仮に、税率が20%だった場合、45万円が支払う税金です。
金額だけみると大きな金額ですが、3,000万円との比率で考えると、わずか1.5%です。非常に低い税率だということがおわかり頂けましたでしょうか。このように、小規模共済は積立タイミングでも受け取りタイミングでも、節税ができる良い制度といえるでしょう。
また、国民年金、小規模共済とは別に、自分自身でしっかりした貯蓄や資産運用による備えも重要です。なぜなら、小規模共済も7万円という上限額が決まっており、それ以上の貯蓄をすることはできません。
20年以上年金をかけた男性会社員の厚生年金の平均額が、19万円/月ともいわれています。国民年金だけの自営業者の場合、満額支給でも月額換算すると約65,000円です。
毎月10万円以上の差額が出ることを考えると、小規模共済の上限額で満足せずに更に貯蓄をしたいものですね。
このように、退職金のない自営業者の老後準備は、会社員以上にしっかりやる必要があります。「一生働くから」と老後準備を後回しせずに、早い時期から少しずつ始めて行きましょう。
ブロードマインド株式会社
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